心霊現象狂想曲
僕の名前は、理不尽太郎 お盆になると一人寝が怖い 50代のサラリーマンだ。
最近の我が家は超常現象に悩まされている……心霊の呪いではないかと思えるのだが……
とにかくフタが失くなるのだ!フタというフタが!
タッパウェアのフタが失くなり、カレーの残りが冷蔵庫でカピカピに……
ミキサーのフタが失くなり、ミックスジュースが爆発し……
僕の弁当箱のフタが失くなり、カバンの中で散乱するという大惨事に……
ジャムのフタが失くなり、蟻だらけとなり……
このフタが失くなるという呪いを解明するために食卓で家族会議が開かれた。
「それぞれフタの捜索を行ったわけだが、詳細を報告しよう
僕の弁当のフタは、庭でチャリーのエサ皿にされていたよ ちなみにビジネスバックはいまだに臭い
みどりさんは、何か見つけたかい?」
「ミキサーのフタは、わたしの帽子の型にされていたわ おかげで帽子が新品みたい
娘ちゃんは?」
「タッパウェアのフタは押し入れの中で見つけたわよ 意味がわからない記号が油性ペンで書かれていて
呪いの呪文じゃないかしら? 息子くんは?」
「俺が見つけたのは、ジャムのフタだけどさ、お風呂の排水口のフタにされていたよ
おかげで脱衣所まで水浸しさ」
「これはあきらかに、この家に悪意を持つ心霊の仕業だと断言できるな! 除霊をお願いするか?」
その時、廊下の端のほうから不気味な音が近づいてくる……
“ガッ ザザッ……ズズッ……ゴトッ”
「何?いったいなんなの??ポルターガイスト??お父さん見てきてよ!!」
全員の視線が廊下に釘付けとなる
「いや 落ち着くんだ!落ち着け!」
“ザザッ……ゴッゴッゴッ……ゴットッゴトッ……”
真顔で便器のフタを引き摺った孫ちゃんが、キッチンへと現れたのだった。
その後、フタの件を話題にする者はいなかった。
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