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飲むか飲まれるか

飲み物のおはなし

 タイムリーにもつい先日、オールガラスのラムネ瓶復活のニュースがあった。

 なんでも13年の年月を費やして、オールガラスを再現する技術を確立したのだそう。


 元々あった技術が失われ、それを再び復活させるためには10年以上の月日がかかる。

 技術も科学も日々進歩していってるはずなのに、職人技というのはそれらを超越したところにあるのかと思うと畏怖やら尊敬やらなんとも不思議な気持ちがする。

 そして、これで自分にもオールガラス瓶で飲める機会が巡ってくるだろうかと思うと、常用化される未来が楽しみだ。




 すっかり瓶ラムネばっかり飲んでるイメージになった頃だろうけれど、実は常飲してるのはミルクティーである。


 それはもう、朝起きるとまず電気ケトルのスイッチを入れるくらいには一日中ミルクティーばかり。

 他の飲み物を一切飲まないと言っても過言ではないくらい、水もお茶も飲まず水分摂取はひたすらミルクティー。……書いてても身体によくなさそう。

 お砂糖代わりに、カロリーオフの人工甘味料を入れて。


 そんな紅茶好きともなれば茶葉に一家言ある……なんてことはなく、飲んでるのはティーパック100個入って数百円の安物。

 蒸らし時間も適当で、お湯注いだのを忘れたまま泥のような色になることもしばしば。


 ストレートティーやレモンティーは好まないので、家に牛乳の買い置きが尽きると死刑宣告を受けたような気持ちになる。

 インドアを押して買い物に出るか、水分を摂らずに耐えるかという究極の二択。(冷蔵庫に麦茶あるよ)



 ミルクティー以外にも、ミルクたっぷりのカフェオレ(加糖)や、いちごミルクや、ココアなんかも好き。

 市販の抹茶オレ系は甘すぎていただけないけど、自分で抹茶を買ってきて牛乳と砂糖を混ぜたものは美味しかった。

 つまりは、『ミルクで割った飲み物』全般が好きらしい。


 ――そのままの牛乳も、まあ好きなほうだ。

 小学校時代、給食の牛乳があまるとおかわりジャンケンに参加していた。


 それらを総合するに、自分は『紅茶好き』なわけではなく、なにやら美味しい味の加わった『牛乳が好き』なようだ。


 思えばシリアルに牛乳をかけて食べるときも、一番のメインは最後の『シリアルの糖分が溶け出した牛乳』を飲むときだった。

 この甘い牛乳を飲むためにシリアルを食べているのだ、と考えるほどに。




 そういえば大学時代、ジャスミン茶の独特な風味が苦手だった。興味本位で買ったペットボトルが飲み切れず、一日かけてチビチビと消費したり。


 夏場に差し掛かると、緑茶や麦茶のペットボトルを買っても数時限と持たず飲み切ってしまう。

 そのときひらめいたのだ。

「苦手なジャスミン茶なら、チビチビしか飲めずに長持ちするのでは……?」と。

 一日に何本もペットボトルを買う生活は、金銭が厳しかったので。


 そこからは連日ジャスミン茶を買った。

 案の定、一本で一日しのげる程度に長持ちする。

 そうしてジャスミン茶を買い続け、何が起こったかというと……。


 いつの間にやら、すっかりジャスミン茶が好きになってしまったのだ。


 いやー、そうきたか。慣れなのかなんなのか。美味しいなぁジャスミン茶!

 華やかな香りが鼻の奥から喉にかけてスッキリと洗浄してくれるかのようで、気分も爽快。夏にピッタリ!すばらしい!




 ――っとまあこんな経緯もあり、市販のジャスミンミルクティーなんていう変わり種も美味しくいただけた。(話題続いてた)

 ちなみにほうじ茶オレは、抹茶オレ同様、市販品だと甘すぎて苦手だけれど。


 どんなお茶でもミルクと砂糖さえ加われば美味しくなるのだろう。

 ――そう、思っていた時代もありました。




 ドリンクバーのあるお店で、名前は知っているけど飲んだことはなかった『ローズヒップティー』を見つけた自分は、嬉々として注いで席に戻った。


 真っ赤に透き通る見た目に、女性人気の高さを納得する。そして一口。


「――すっっっぱい!!」


 おおよそ自分の知っているか『お茶』という飲み物には該当しない、お情け程度に薄めたレモン汁のような酸味。

 落ち着きのない真っ赤な見た目にも、狂気のような攻撃性を感じる。


 いや……、あいや待たれよ。


 これはあれだ。ストレートでいったせいだ。

 とりあえず砂糖を足す。

 うーん酸っぱい!

 しかしまだ自分には奥の手が残っている。


 ドリンクバーコーナーから取ってきたコーヒーミルクを開けると、今退治してやるからな……と不敵な笑みを浮かべてローズヒップティーへと注いだ。


 ――瞬間。


 モロモロと分離していく赤い液体。

 白濁を投じた赤は、その透き通る美しさが嘘だったかのように不透明なピンクの(おり)を生み出しながらボロボロになっていく。


「…………」


 思ってたんと違う。

 なんだか妙に飲みづらそうだ。しかも砂糖とコーヒーミルクの分だけ量が増えた。


 いやしかし、これで『ミルクティー』になったのだ。きっとミルクがすべてを包み込んでくれる……。


 ドロリと淀んだカップに口をつけ……、グピッ!



「まっっっっず!!!!」

結論:ダメなものは何してもダメ



※コーヒーミルクの中身は植物性油脂なのでいっぱい入れてもおいしくない。

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― 新着の感想 ―
瓶ラムネ! 店頭に並ぶのが待ち遠しいな… 木桶に氷と水と瓶ラムネを突っ込んで夏を満喫したい! 長い月日がかかったけど、技術を復活させるのは 失われたままの方が多いのに喜ばしい。 (梅ジャムレシピ) …
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