終わりまであと七日
朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと七日になりました」と言う。
踏んだり蹴ったりだ。
去年は、新型ウイルスのせいで大会が無くなった。先輩と共に戦える最後の大会だったのに。
はじめ、元気な人と若い人は罹らないと言われていた。風邪ウイルスの変異型とも言われていた。だったら、春の大会はあるだろうと思っていた。けれど、春の大会は中止となった。春は、まだ仕方がないと、諦めることができた。
病気の事、ウイルスの事なんか、自分には分からない。分からないけれど、夏の大会までには新型ウイルスは治まっているだろうと、軽く考えていた。
だけど、先輩とともに試合に出れるのは、去年しか無かったんだ。
ウイルス禍で今までなら出来ていた事が色々出来なくなった。その中の一つの部活動。
今はできなくても、いつかは出来るようになると信じて過ごしていた日々。そんなある日の朝、テレビから聞こえてきた事で。
あと七日しか世界かないのなら、今まで我慢していた事をしても良いだろう。
でも、自分は、何をしたかったのだろう。
世界が終わる最後の日、その日も今までのように過ごす自分達。
あと一日、あとひとつ。それで世界が終わる。
そうなったとしても。
それでも、やっぱり自分は生きていたい。
最後まで自分の夢が実現される事を信じて生きていきたいんだ。
ピクシブにてさなコンに提出したもの