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FALL INTO un日常  作者: eFRM
星と死体の降る夜
12/17

驚きの結論

食堂にこの建物内にいる全員が集まった。

入り口に隆司が立ってて、他の人は食事のときと同じ位置に座ってる。ただ西部さん山吉さんの2人は205号室のところだ。

それと京人が見当たらない。さっき隆司と何か話してたけど...。

「えーっと、これは一体どういうことでしょう」

「怪しい人影を見たって本当ですか?!」

こう詰め寄るのは西部さんと山吉さん。

「あ、それについては嘘です。ちょっと全員に集まっていただきたかったので」

そう言って頭を下げる隆司。

ホッとしたのかカップルの女性の強張ってた顔が緩む。

「おいおいどういうことだよ。君みたいな子供にそんな用事があるなんて」

少しキレ気味のカップルの男性。無理もない。彼女さんを怯えさせてしまっていたんだから。

一方小男さん(仮)はここまでずっと無口だ。ただ、少し手が震えている。やっぱり怖いのか。

「まぁまぁ皆さん落ち着いてください。犯人がわかったんですから」

「!」

食堂にいる一同が驚愕の表情を浮かべる。正確には私と隆司のお父さん以外だけど。

「は?君は一体何言ってるんだね。犯人がわかったも何も、私自身、追いかけていったけど逃げられてしまったんだよ。子供の遊びに付き合うほど暇じゃないんだ」

そう言って立ち去ろうとする山吉さん。

「子供の遊びだとしても、別にいいじゃないですか。どうせすることはないのですし。それに全員一緒の方が安全なんですから。とはいえ焦らしすぎるのも良くないので」

そう言うと隆司は一呼吸置いて、いつもの台詞から始める。


「では、結論から。

女性を崖下にほうり落とした犯人は...あなたです」

そう言って隆司が手で示したのは、


小男さん(・・・・)だった。


「ぼ、僕なわけ無いですよ。だって犯人はさっきお巡りさんが言ったみたいに逃げてるんですよね。それに僕と犯人は似ても似つかないじゃないですか!」

そこまで言って口を閉ざした小男さん(仮)。

確かに犯人は大柄で、小柄な小男さん(仮)とは似ても似つかない。ただ...

「あれ?おかしいですね。僕はそこにいる朝花ちゃんから話を聞いたから知っていますが、どうして貴方は犯人が自分と違う大柄な男だって知ってるんですか?」

「そ、それは...」

口ごもる彼。確かに山吉さんが事件の説明をしたときも、何者かが女性を落としたとしか言わなかったのに。

「まぁいいでしょう。兎にも角にも貴方が犯人の1人(・・)だとすると辻褄が合うんですよね」

1人?!

「まさか、複数犯だっていうのか?!」

驚くカップルの男性。

「ええ、というか。そうじゃないとおかしい点がありますし、逆にそう考えるのが合理的なんですよ」

「じゃあもう1人の犯人は?!」

彼女を抱き寄せながら辺りを見渡す彼。今の小男さん(仮)の反応から隆司への信頼度がぐっと上がったみたいだ。

「まぁ焦らないでください。もう犯人たちは僕たちに手を出さないでしょうし。なんせ本来は...ねぇ」

そう言って奥の方を見る隆司。彼の視線の先には、山吉さんと西部さん(・・・・・・・・・)がいる。

「ちょっと君。その視線の意味は何だね?!」

「まぁまぁ、順に説明、いや『推理』を聞かせてあげますよ。なんせ、あなた方3人が犯人であることにさえ気付ければ驚くほど簡単なんですから」

そう言うと隆司は人差し指をピンと伸ばして、歩き始めた。

「まず僕がおかしいと思った点はですね、光です」

光?

「えーっと、お名前をお伺いしてもいいですか?」

そう言うと隆司はカップルの女性の前に立つ。

「えっと...高橋ですけど...」

困惑の表情を浮かべる高橋さん。無理もない。いきなり小学生の男の子がこんなことし始めたんだから。

口調も完全に大人相手になってる。

「ありがとうございます。高橋さん、あなたはベランダから光が漏れていて、なんだろうと見たら、大柄な男の人が女性を抱えてるのが見えたんですよね」

「え、えぇ。シルエットだけですけど。

それに光がって言ってもなんか明るいなぁってふと見ただけですし」

「そうですよね。

では皆さん。想像してみてください。

あなたはこれからある人をベランダから落とそうとしてます。辺りは暗いです。

このとき、わざわざ部屋の灯りをつけるでしょうか?」

私たちはハッとした表情になる。

口には出してないけど、皆NOと考えてるのが分かる。

「つけないですよね。

つまり、犯人はわざわざ自分の体型を印象付けるために明るくした、と考えてもいいんじゃないですか?

それに遠くからのシルエットくらいなら、中を少し詰めたリュックとかを背負って外から大きな服を着れば誤魔化せます。ズボンとかも緩めのを履いたりして、靴も厚底のを履けば下半身も問題なし」

そう言って隆司が言葉を切ると、彼の後ろから京人が入ってきた。

「あったよ隆司。

お前の言った通りちょっと大きめのリュックと厚底の靴がヒイラギさんの部屋にあったから写真撮ってきたぜ。それ以外は上手く探せなかったけど」

「いやいやありがとう。それで十分さ。

後ほどそれらを調べれば貴方が身につけていた痕跡の1つや2つは容易に見つかると思いますが、念のため証拠として写真を撮ってもらってたんですよ。

こっちに持ってきたら、それはそれで痕跡を消されかねないんで」

なるほど。

ひとまず、小男(仮)さん(いい加減彼の本名を知りたいんだけど)がヒイラギさんを落とした犯人だとはわかった。

あとは...他の2人に関してはどうなってるかよね。

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