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間話 とある男の独白


 今日この頃、ナノスという友人ができました。

 おねえさんは職人気質で今まで貴族の無理難題をこなしてきた気丈者であります。

 幼き頃、煌びやかな女性のスカートを見ては感動に浸りはするも、男児は剣を持ち気高くあれと教えられ育てられましたので隠れて裁縫に打ち込んでおりました。大人になってオネエさん口調にしました。別に心が女性になったわけではなく女性の気持ちもよくわかるためそして、この口調で来るべき人を見分ける選別の役割を果たしてくれるために活用しているまでなのです。今や癖になって手放せません。

 話を戻しますね。幸いにも陰ながら応援してくれる母のおかげもあり、成人まで剣を振りつつデザイナーとしての腕を磨いておりました。

 全てが順調とは言い難かったです。成人してからデザイナーのことを徐々に前面に出していたら、父親と一悶着ありました。その時の売り言葉に買い言葉で、家出だ才能がなんだとなりまして今に至りますが、当時は家を出てどこ行こうと途方に暮れました。

 王都にいる親類を頼り王都で旗揚げしました。お金を借りて店をするのは良いとは思えなくて、親類の屋敷一室を借りて。そこで今思えば母経由でしょうか、親類が親身になっていたのは。ありがたい限りです。

 初めから上手くいくとは思っておりませんでしたが、まあなんというか挫折を味わいました。

 男が裁縫するなだのなんだのと誰も私の服を見てくれません。お茶会やパーティーの催しに参加し売り込んでもよく思われません。なにが男が作った服はねえ?だ。目の前にある食べ物は男の料理人だっただろ!と言ってしまいたい衝動に駆られましたが笑顔笑顔でお話ししましたとも。

 長い間苦しい時を過ごしましたが、私が変わる出来事がありました。

 奇しくも私を助けたのは私の磨いた剣であります。領地で騎士を嗜んでおりましたので王国騎士団にお呼ばれいたしました。その時の私はやけくそな心境でしだので、自分の服に付与魔法を重ね掛けして王都の騎士団をボコ…失礼、憂さ晴らしをしてすっきりしたのを覚えております。

 そのあとです。あまりに実力差あった戦いだったものですから騎士団長が聞いてこられたのです。直々に。

 私が強いのはもちろん領地で鍛錬したからだと伝えましたが、まあこれもあるだろうと付け加える形で自分の服に付与魔法を掛けているからだと言いました。

 言葉少ない寡黙な騎士団長ですが強さは私より遥かに強い人です。その人に自分にも掛けてくれと言われて否とは言えません。掛けました。

 強い人に強くなる方法を教えれば強くなるのは当たり前のことですね。強い騎士団長は更なる盤石な強さを身につけました。実直な方です。これは付与されたものの力、見合う力をつけなんとか言っていたので、更なる研磨をしていかれることでしょう。

 騎士団長の話はもう良いですね。本題は騎士団長のあとに我も我もと付与魔法を掛けてくれという騎士に群がれる事態となり辟易しました。こうなると国の運営する団体から要望がある形なので、国と契約をという形に相成りました。

 評判よかったです。メンテナンスには防具を卸している武具職人と折り合いつけてなんとかこなします。

 それから騎士の家族や知人に知れ渡り、今やいっぱしの服飾付与職人です。報われております。

 ですが、最近の悩みがありました。仕事で関わる人は増えましたが親しい人や友人と呼べる人はいないのです。この性格ですからね。

 そんな時、精錬された服を着る人が現れ、その人は私の外見に戸惑いはするものの普通の反応でした。普通の反応です。

 押し付けがましい職人だったでしょうが嫌がらず?接してくれたことに感謝したかありません。

 感謝には心よりの気遣いで丹精込めた服を仕上げました。予想外の服になりましたがこれでよしです。

 そんな頑張りを知って喜んでくれる同年代の友人ができました。なお、ありのままの自分を受け止めてくれる友人の力になれたら良いなと思うと同時にちょっかいを楽しんでいこうかとニコニコするのでした。


    辺境伯家の分家 ラビンズ・デボラ 


 

 

 

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