表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

under 500 Ⅱ

やま過ごしの恋人

都会の喧騒に浸かりながら、彼のことを思い出す。




小学校、中学校、高校と、有名な頭のいい学校に通い。


大学は、日本で一番頭が良いとされる学校に、通っていた。


それから、一流IT企業に入社して、どんどん出世していった。


そして、東京のど真ん中で、輝きをずっと放ち続けていた。


でも、突如、山に住むと言い残して、会社を辞めた。


マンションを売り、持っていたものは、ほとんど捨てていった。


そして、小さなリュックひとつ持って、山に向かっていった。




あれから、一度も会っていない。


今頃、何をしているのだろう。


道の先を、まっすぐと見つめてみると、見覚えのある顔があった。


彼だ。


私は駆け出していた。


人目も気にせずに。


そして、振り絞った声で、彼の名前を呼んでいた。


「ルイ!」


しかし、彼は予想外の言葉を、こちらに返してきた。




「佐藤さんですか?初めまして、レンタル恋人のツカサです」


全てのプランは崩れた。


雰囲気は、一瞬にして消滅した。


「いやっ、あの。出会うときは、送った設定の通りにって言いましたよね」


「あっ、すみません。つい、本当の名前を名乗ってしまいました」


「ああ」


「また、あちらから歩いてきましょうか?」


「もういいです」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ