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under 500 Ⅱ

やま過ごしの恋人

都会の喧騒に浸かりながら、彼のことを思い出す。




小学校、中学校、高校と、有名な頭のいい学校に通い。


大学は、日本で一番頭が良いとされる学校に、通っていた。


それから、一流IT企業に入社して、どんどん出世していった。


そして、東京のど真ん中で、輝きをずっと放ち続けていた。


でも、突如、山に住むと言い残して、会社を辞めた。


マンションを売り、持っていたものは、ほとんど捨てていった。


そして、小さなリュックひとつ持って、山に向かっていった。




あれから、一度も会っていない。


今頃、何をしているのだろう。


道の先を、まっすぐと見つめてみると、見覚えのある顔があった。


彼だ。


私は駆け出していた。


人目も気にせずに。


そして、振り絞った声で、彼の名前を呼んでいた。


「ルイ!」


しかし、彼は予想外の言葉を、こちらに返してきた。




「佐藤さんですか?初めまして、レンタル恋人のツカサです」


全てのプランは崩れた。


雰囲気は、一瞬にして消滅した。


「いやっ、あの。出会うときは、送った設定の通りにって言いましたよね」


「あっ、すみません。つい、本当の名前を名乗ってしまいました」


「ああ」


「また、あちらから歩いてきましょうか?」


「もういいです」

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