7色目 到着した増援
アイツと戦い始めてから何分ぐらい経ったんだろう。
ギフトが赤のギフト「拳士」に変わってからアイツに何度も殴りかかろうとしたけど、あの大斧のせいで間合いに入れない。
決して「拳士」も弱いギフトじゃない。
足りないものがあるならば・・・
「君ってさぁぁぁあ!センスはいいけどさぁぁぁああ!実戦経験ほとんどないでしょおぉぉぉお!」
やっぱり、そうだ。
アイツの言う通りだ。
いくらギフトによるサポートがあっても
実戦経験の差は簡単には埋める事が出来ない。
ギフト「修羅」の時は、体が勝手に動いていた様なものだからちゃんとした実戦はコレが初めてみたいなものだ。
これじゃあ、近づく事すら出来ないのも納得だ。
そうしているうちにどんどん体力が底をつき初めて来る。
「どぉぉぉおしたのぉぉぉお!?息が上がってるよぉぉぉお!もう限界なのぉぉぉお?」
「くうッ!まだだ!」
そう言ってみたけれどまるで打開策が見つからない。
このままじゃ倒される。
そう思った時、
僕とアイツの間の空間に黒紫のモヤが現れた後に門が現れた。
僕があっけにとられている間に
ゆっくりとその門が開かれると
中から誰かが出て来た。
その人は何処かの王様みたいな服を着た
僕と同年代くらいの少年だった。
その少年は僕を一度チラリとこっちをみた後、
アイツの方に向き直って
「やぁ、楽しんでいる様だね?」
と言って声をかけた。
どうやらアイツの仲間らしい。
「珍しいねぇぇぇえ?君がボクの所に来るなんてぇぇぇえ?」
アイツが不思議そうにしていると
その様子を見て少し苦笑しつつ
「まぁそうだね。
僕は"議長"として君を呼びに来たんだ。
つまりは緊急の案件という事だね。」
と答えた。
「なるほどねぇぇぇえそれなら納得だよぉぉぉお!」
「さあ、もうすぐ会議の時間だ。早速行くとしよう。」
ちくしょう!このままじゃアイツらに逃げられる!
おっちゃんの仇に逃げられる!
「ま、まて!勝負はまだ終わっ」
僕は言い切る前に衝撃と共に壁に吹っ飛ばされた。
「ぐわぁぁぁあ!?」
何とか立ち上がろうとするけど足に力が入らない。
少年がこちらに手のひらを向けていた。
彼が僕を吹っ飛ばしたみたいだ。
少年は申し訳なさそうな顔をすると
「手荒な真似をしてすまない。だけど僕達は先を急いでいてね。この辺で失礼するよ。」
と謝った後、深々とお辞儀をして
アイツと共に門に向かっていく。
ぼんやりとしていく視界の中
這いずりながら追いかけようとしたところで
僕は意識を失った。