4色目 反撃の大芝居
ギフトが変わる。
道化師 無色
「ど、道化師かー コレでどうするかなあ」
僕は少しの間考えて、
「そうだ!確か道化師にはあのスキルがあったはず。それを使えば・・・」
「お、どうした。いい案思いついたか?」
「うん、その為にはおっちゃんにも協力して欲しいんだ。」
「任しとけ!んで、どんな作戦だ?」
「それはね・・・・・・・」
数分後
「よし、分かった。早速やってみっか!
準備はいいか?」
「うん、オッケーだよ」
おっちゃんはスゥっと息を吸い込んだ後、
「おい!頼む誰か来てくれ!
俺の連れが苦しみだしたんだ!
お願いだ!見てやってくれ!」
おっちゃんは大声で叫ぶ。
それに合わせて
僕はうずくまりながら
「う、うぐぐ!」
と芝居をする。
すると、奥の方から足音が近づいてきた。
「なんだよ、うるせえなぁ!」
と見張りが一人おっちゃんの牢の方から
やって来た。
どうやら見張りも酔っ払っているらしく、
遠目からでも足がふらついている。
コレはラッキーだ。
見張りはおっちゃんの牢の前まで来た。
「黙らねえか!喧しい!」
「た、頼む!隣の連れの様子だけでも見てやってくれ!あいつは体が弱いんだ!」
「あー?まったくしようがねえなぁ。
売り物にする前にぶっ壊れても困るし
一応、見てやるか」
「どれどれー?」
よし、見張りが入ってきた!
「ふーむ、確かに弱ってんな。こりゃ売り物にならねえかもなあ。」
よし!今だ!
僕は近づいてきた見張りの腰から
そっと鍵を回収した。
普通なら間違いなくバレていただろうけど
道化師のスキル「物真似」で病人の物真似を
してるのが成功したみたい。
しかも酔っ払っているから注意力も散漫になっているのも味方したみたいだ。
見張りは少しの間僕の様子を見ていたけど
立ち上がって、
「まぁ薬でも持ってきてやるよ。大人しく
待ってな。」
そう言いながら、僕に背中を向けて立ち上がった。
僕は即座におっちゃんの牢に繋がる換気穴に鍵を投げ入れる。
投げ入れると同時に何かに気づいた様に見張りが振り返って
「テ、テメェ!俺から鍵を盗みやがったな!ふざけやがって!殺してやるっ!」
と僕に掴みかかって来る。
手が喉に食い込む。
息が出来ない。
僕は必死に抵抗する。
すると、見張りがグッと呻きながら倒れ込む。
前を見ると、おっちゃんが木の棒を持って立っていた。
「大丈夫か?怪我はねえか?」
「うん、なんとか大丈夫だよ。おっちゃんは?」
「問題ねえ。よし、この鍵で他の人達も助けるか。」
「そうだね。よーし、ここから反撃開始だ!」