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1色目 いきなり大波乱

次の日僕達は取り敢えず、村に戻ってこれからどうするかを考えることにした。

正直、一晩たっても

このギフトをすぐに使うべきかどうか、まだ悩みながら荷物をまとめていると、おっちゃんが僕の心境を察した様に


「まぁなに、仮にどんなギフトでもそれだけが全てじゃない。

お前が優しくて真面目な働き者なのは俺や村のみんなが知ってるんだ。だからそう気に病む必要はねえさ。」

そう言って僕の肩を軽く叩き、



「まあ、村のみんなは驚いてひっくり返るだろうがな!ワッハッハ!」



と大笑いした。

そして僕達は馬車に乗って帰る事になったけど

どうやらこの馬車は少し大回りして帰るみたいで、おっちゃんは


「ふああ、昨日張り切りすぎちまったか ?」



とすぐに横になっていた。

僕達はしばらく馬車に揺られていたけど、森に差し掛かった所で不意にさっきまでうとうとしていたおっちゃんが跳ね起きて



「おい!御者!急いで道を引き返せ!この先は危険だ!」



と怒鳴った。

しかし、御者の人はけらけら笑いながら


「どうしたんです旦那?寝ぼけているんですかい?」



と言いながら馬車の向きを変えようとはしなかった。

その時


「うわあ!」



と悲鳴をあげ、御者が馬車を急停止した。 

前方を見ると道に降り注いできた何本もの巨大な丸太が道を塞いでいた。

慌てて御者の人が馬車の向きを変えて引き返そうとしたけど、もと来た道の方にも同じように丸太が降り注ぎ馬車は道の真ん中に閉じ込められてしまった。

即座にチラリと周りを見たおっちゃんが忌々しそうに


「ちきしょう!あの"加護無し"どもめ!」



と唸りながら護身用に持ってきた弓を

構えた。

慌てて僕も見渡すと周りには大勢の柄の悪そうな人達がこちらに接近して来ていた。

"加護無し"

両親に聞いた話だと、

彼らは何らかの理由で本来持っている加護を持たない人達の事で、多くは悪事を働いて生活している人らしい

僕の心臓が早鐘を打つ。

冷や汗が止まらない。

戦闘の素人の僕でもこの状況は圧倒的に不利なのがわかる。奇襲された事や地の利だけでなく、こちらには武器を持った人はおっちゃんと数人の旅人の人達だけなのだ。

このままでは間違いなく死ぬ。そう思ったと同時に彼らは一斉に何か袋のような物をこちらに投げつけてきた。

おっちゃんが咄嗟に身につけていたスカーフで自分の口元を覆いながら皆に


「全員、口を覆え!」



と叫んだが、反応出来たのは僕と一部の人達だけだった。どうやら袋に入っていた物は痺れ粉だったらしく半分以上の人が体をプルプルと震わせながら倒れ込んでいた。

どうやらおっちゃんも少し吸い込んでしまったらしく、“加護無し"達に矢を放っているけども

彼らの前衛が構えている盾に塞がれてしまっている。

いつもは正確に標的を撃ち抜くおっちゃんでは考えられない状態だ。

他の武器を持っていた旅人の人達も彼らの弓で

肩や足を撃ち抜かれてまともに反撃出来なくなってしまった。

ジワリジワリと彼らが近づいてきている。

このままでは、全員僕らは殺される。

そう理解した瞬間僕は反射的に


「チェンジ!!」



と叫び、全身に力を込めた。

僕が授かった「無色」がどんなギフトに変わるかは分からないけどこのまま何もしないよりは確実にいいはずだ。

僕の体が光に包まれる。

このギフトはギフトを変えるギフトなのだ。

これならばまだ希望はあるかもしれない。

「剣士」や「弓術士」が出ればおっちゃん達のサポートが出来るかも知れない。

光が収まってゆく。

そうして僕は手にしたギフトが直感的にわかった。


「こ、このギフトって・・・!?」


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