0.5色目 無色って?
「無色!?」
宿を先にとっていたおっちゃんに合流して
儀式の祭りを堪能した後、
宿の一階の食事処で
僕の授かったギフトの話をしていた。
「無色ってあの無色だよなぁ、あぁネェちゃん!エールもう一杯!」
「おっちゃん飲みすぎじゃない?、
でも、神官の人たちもそんな反応してたんだけど、
無色ってどんなギフトなの?」
「ん?ああ、無色ってのは・・・」
おっちゃんの話では
無色とは、
自分にどうしても合わないギフトを別のギフトへ変えてくれる、慈悲のギフトで、
だけども滅多に授からないので半分おとぎ話のギフトと思っていたらしい。
そもそも最初の儀式で授かるようなギフトではないと言っていた。
「これが僕のギフト・・・」
「まぁでも最初に決まるか後から決まるかの違いだ、
あんまり気にせず使っちまえばいいじゃねぇか」
「そうは言っても・・・」
あの時
微かに光っていた水晶玉の光を思い出していた。
あの温かさ、
このギフトはそんなに簡単に変えてしまっても良いのだろうか。
そんな考えが僕の頭を渦巻いていた。
「少し・・・考えてから決めるよ」
「そうか、まぁお前の一生を決めるようなもんだ、
考えれるだけ考えればいい」
「うん」
グビッグビッ バン
「よし!じゃあセシルお前はもう二階行って寝ろ!
明日の朝にはもう街を出るぞ」
そう言っておっちゃんは出入口に向かって歩いていく
「おっちゃんはどこ行くの?」
「大人にはまだやることがあんだよ、さっさと寝ろ」
「僕ももう大人だよ!」
「お前にはまだ早い!」
そうしておっちゃんは日の沈む街へ出て行った
「僕ももう大人なのに・・・」
帰り支度をしっかりしてから、僕は眠りについた。