09 全裸のスイマー
「おい! 獅子王様の許可なしに門を出るでない!」
「その獅子王様の咆哮が聞こえたのよ! 怖くて仕方ないわ!」
「こ、こらー!」
すごい数の半獣たちが門から雪崩出て来てる。門番が機能しなくなってるよ。
「獅子王様は集めた半獣たちが暮らせるよう城下町を開放してたみたいニャ。でもさっきの咆哮でみんな怖がって逃げ出してるニャ」
せっかく集めたのに、って感じだよね。
本当に何があったんだろう。
「くすくす♥ それじゃ〜ラビットスターはこれで失礼しよっかな?」
えっ。
「言ったでしょ? 王国に用があるって。着いたんだからこれ以上いっしょに動く必要もないでしょ?♥」
そうかもしれないけど……。
「この状況でかニャ」
「おかしい?♥」
「ちょっとニャ……」
自体は一刻を争う感じだし、ラビちゃんがそう言うのなら止めないよ。
でも気をつけてね。
「ふふ……♥ じゃあまた」
……行っちゃったね。
「色々と怪しいやつだったニャ……とりあえずニャンタロッサたちも動くニャ!」
そうだね。
目標はあのお城。
獅子王のいるところへ!
「はぁ……はぁ……」
「あ、あわわわわわわわであります……」
「もう一度イウがよい。ナント、言った?」
「わ、われわれサキュバスは……もうお手伝いを……あわわわわわ……!」
「もう一度ォォォおおおおお!!!!!」
「ひゃああああああであります!」
「ちょっと待ったニャあああああああああああああああああああああああああああああ!」
「!?」
へい。あなたが獅子王?
カッコ可愛い感じが胸キュンしちゃうよ。そのたてがみ触っていい?
「……なんだキサマラは」
あ、えーと。
とりあえずお話しようよ。
「そうだニャ。とりあえず落ち着いて、その魔法剣を収めるニャ……」
あのライトセイバーみたいなの魔法剣っていうんだ。
「ウウ……ぅぅぅああ……」
これどう見ても操られてるパティーンでそ。
「ま、間違いないニャ……! あんな目を真っ赤にして、あんなの獅子王様じゃないニャ……!」
なら、まぁ、しょうがない、か。
「変態……!? まさか、あれをやるニャ……!?」
うん。
魔法無力化で救い出す。
「でもあれって、触れないとだめなんじゃないかニャ!? 接近戦になるニャよ!? あの魔法剣をかいくぐれるのニャ!?」
あっ。
「ゥゥゥゥ……ぐるるるるる……(剣フリマワシー)」
無理っぽいかも。
「でしょうニャ」
「あ、ああ、あああああ、あなた方はあのときのっ、お二人でありますかあああ〜〜〜!」
!?
「お、お前はサキュバスのヤヤスケーヴェイ!? どうしてここにいるのニャ!?」
「申し訳ありませんでありますぅ〜〜! 獅子王様を怒らせたのは他でもない、私なのでありますぅ〜〜!」
なんてことしてくれたんだ君。
「責任取って援護しろニャ!」
「は、はいであります! ……えっ? 戦うんでありますか?」
「行くニャ〜〜〜〜!」
うおおおおおおおおおおおおおお。
「ええええええええええええええええでありますうううううううううう!!!!!」
「一瞬だけでもいいニャ! 変態が獅子王様に一瞬でも触れられれば、この勝負勝ちニャ!」
「まさかサキュバスの結界魔法を破った、あの無力化であります……!?」
もち!
っさぁ!
ニャンタロッサちゃん!
「滑り込み引っ掻きニャぁぁぁぁぁぁぁ!」
「GARURURURURURRUあああああああああああ!!!!!」
「あじゅッ!? ジュッってなったニャ! ジュッってしたニャぁ!!\(^o^)/」
「水魔法バシャーンであります!」
ナイス!
そのまま獅子王を流しちゃって!
「了解であります!」
「ニャンタロッサも流されるニャ!!!!」
この激流を利用し、一気に間合いを……!
「GARURURURURURURURU……ウッ!?」
衣服を纏わぬ身だからこそ、この激流に身を任せ、スピードに乗れるというもの。
さぁ。
今から君を救ってあげる……!
「ガ咨ああ嗚呼AAAAAAAAAAAAAAAAAA唖々嗚呼あ!!!! 離せ! HANASEえええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」
おりゃあああああああああああああああ!




