02 これをこーしてこーやって
さて……。
水平線に沈みゆく夕日がきれいだね。
素っ裸だけど感傷に浸る権利はあるよね。
というわけでもう少し眺めていようかと思ったんだけど……。
第一村人はっけんです。
いや村人かも定かではないんですがね。
まぁいいのです。
もし。そこの猫耳つけたお嬢さん。
「ニ”ャッ!?」
衣服を恵んでいただきたいのですが。
あと、ご飯も。オーケー?
「ニャああああああああああああっ!!!!!」
あっ。
逃げられました。
紳士的に話しかけたつもりだったのに。
やや、ご飯までねだるのはちょっと調子乗っちゃったのかも。
まぁいいのです。
追いかけます。
「ニャあぁぁぁぁああガァァァァァぁぁああっ!!!!」
なぜ逃げるのです。
私は決して怪しいものではありません。
「ニャぁッ……はぁっ、ふぅっ、ひぃ、ふぅ……><」
思ったより体力ないみたいですね。よしよし。
「ぉ、ぉぉぉ、ぉ前っ……サキュバスだニャ!?」
ん?
「ニャンタロッサの村を襲うだけじゃ飽き足らず、ニャンタロッサまで食べに来たのニャ!? なんてやつニャ! タヒねニャ!」
なんかすごい嫌われよう。
っていうかサキュバスって何だろう。隠語?
私は怪しい者ではありません。そのサキュバスってやつでもなひ。
「っっしょ、証拠はあるのかニャ!! サキュバスでない証拠を見せない限り、信じないニャ! あと前くらい隠せニャ!」
うーん。証拠と言われましても。
「ぐぅぅぅ……」
あら、猫耳さんの腹の音が。
「ニャぅぅ……////」
お腹減ってるの?
「……食料調達はニャンタロッサの専門外だニャ。お魚とる仲間がさらわれて以来、お魚食べれてないニャン……><;」
可哀想に。
でも安心して?
この……そこらへんに落ちてた木の枝と、なんかいい感じの蔦を組み合わせて、蔦の先端に棘棘をつけてーの。
はい、釣り竿の完成!
「……つりざお? 何だニャ? それ」
釣り竿知らないの? どうやってお魚とってたのさ。
「ニャンタロッサたちはこの鉤爪で、ばっしゃーんだニャ」
ほーん。
でも取れないんでしょ、子猫ちゃんは。
「><;……////」
待ってて。
あなたのお腹を満たすことで、私の無害性を証明してみせるよっ。
「全裸の時点で有害性しかないニャン」