戦略を練る
2. 母港から遠く沖合いで
我が故郷は、少ないが人的にも天然資源的にも恵まれてい、土地は肥え、大体は気候も良好。ここで建国した先祖に感謝を毎日捧げながら育った。
但し、皆、農業従事者というわけには…。それゆえに、年何回か大嵐が海から上陸してくるとしても、長い海岸線を持ってるので、海軍入りした。
ちなみに、元祖国の西端では、貴重な鉱物資源が故郷にある埋蔵量を倍位上回り、もっと北上すれば、さらに埋蔵量があるとの話もあった。
だが、独裁国家になった元祖国は前々から悪徳銀行ら[何と独裁者は元銀行ロビイスト]の指金で故郷にある資源国有化を計画したとの噂も有…。
私は、場合によっては、その地域の要である港町を攻撃し、独裁国家と化して故郷を脅かす経済に壊滅的打撃をも与えることも念頭に入れていた。
余談になるが、陸軍も選ぶこともできたが、世界を旅しながら冒険できるのは軍艦などで勤務するに限る。運が良ければ、外国で武官経験も可能。
私の船にも、ある国への元武官がクルーの一員として上船していた。中立国でも民衆が我々の独立運動に行為を持つ国だったことも幸運であった。
その様な国々を束ねた「ブロックネットワーク」を活用すれば、母港が敵の軍艦などに抑えられる前に公海へ出ておくことで不足物資が確保可能。
過去の勤務から、マクロネシアがこれには最適な場と知っていたからこそ、急いで出航し、あらかじめ指定した地点で補給船らと落ち合った。
補給船「月桂冠」のおかげで、乗組員数は、結果三桁には届かなかったものの、最低限の軍艦的機能を備えられる人数を確保できるようになった。
私は古いタイプの海軍司令官で、船長が絶対であるべきと思っているが、敢えて準備が完了してから、全乗組員の士気を高めるために激励した。
演説の趣旨は、航海途中いかなる困難に直面しても、独立と自由を勝ち取るために、月桂冠を思い浮かべながら、最後まで戦い抜こう、であった。
いったんは、船内がまとまったことから、長丁場の戦に耐えうる体制作りのため、上陸して不足するものを補給する安全な場所を探すことにした。
我々はこの先、トリトンが「ベイリーフ」でもてあそぶ如く試練をかすとは知らず、ポセイドンとニケの加護を得た気持ちで、南へと舵を取った。