表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

イカレ奉行 バババッバ日報タダ乗りバズを斬る!

作者: 葛

イカレ奉行は容赦なく斬ります。

存在しなかったはずの自衛隊の日報が見つかっただけではなく公開された一連の流れは高度な政治的事件として連日連夜テレビを騒がせる物であった筈である。


ところが!これがなんともおもしろいと話題に!ネットでバズり放題。

カエルの話に天気の話、文民統治の威信を揺るがす様な軍事的能力所持者の巧みな文章!


この機を逃すべくはない。多くの自称関係者は大喜利を始める。ツイッターの悪しき慣習である。


「現実でこんなに面白い事があってしまっては、こういった話を商売で書いている我々の様な者は困る」


たちまち2000リツイート!バズり大明神としては大した数ではない。今は2018年なのだ。そのくらいでいい気になるにはまだまだ足りないのだ。


しかし、善良なる作家氏のささやかな心の満足は満たされた。これがきっかけにホーム画面でも踏んでくれれば自作の宣伝にでもなるだろう。ガハハよきかなよきかな。


どこにでもある日本の夜のツイッター風景。


しかしだ!そこにイカレ奉行が現れた!この平凡な風景に彼は我慢のならない欺瞞を見出した!

白装束を着た!日本刀を持った!赤い目をしたイカレ奉行が!善良なる作家氏のパソコンの裏から、ヌーーーーーーーーーーーーッと出た!出たあ!!




「な、何奴!」

「てめえは……………斬る!」




慈悲なき一刀!モニターに弾け飛ぶ鮮血!ああなんという事だ善良なる作家を一刀のもとに斬り伏せられ、風呂上がりの寝間着がわりのジャージ姿でその場に斃れてしまった!


斬る相手を間違えている!明らかにお奉行は斬る相手を間違えているのだ!


作家氏はままならぬ現世で少しの満足を得るためにこのツイートをしただけなのに!なぜ!



「邪魔したな」



お奉行が去っていく。邪魔どころではない!これは殺人である!法の下裁かれるはお奉行である!

なんと皮肉なことか、イカレ奉行はそのままヌーーーーーーーーーッとパソコンの裏で勝手に闇へと沈んでしまい、消えた。


完全犯罪である。

お奉行はなんて事をしてくれたのか。イカレている。

どう考えてもイカレている。






後に残されたのはパソコンの前に転がる善良な作家氏の死体と未だリツイートされ続ける様子を映し続ける彼のパソコン。






主が事切れてなお、パソコンは動き続けておったのじゃ。なんて忠義なパーソナルコンピューターであろうか。


5670人の人がリツイートしました。8962人の人がいいねしました。








ツイッター公式モーメントにまとめられるには十分な数字だ。

しかし、明日のモーメントにはもっとショッキングな事件が載る事は間違いない。


現実はかくも奇なり。いわんやお奉行をや。

バババッバ バババッバ

デケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケデケ

カーン


あなたのところにもイカレ奉行が来るかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ