文字を書いて生活費を稼ぐ方法 Part2 (発注篇)
クラウドソーシングでは「1文字0.1円~0.2円」がライター相場である。クリエイターが「買い叩かれ過ぎている」という批判はその通りだと思う。ライター、イラストレーターや、プログラマーやWebデザイナー、彼らはクラウドソーシングで不当に安い料金で仕事を請け負わされている。
しかしながら、これが「搾取」かと問われると、どうもそうとは言い切れない気がする。
なぜならば、クラウドソーシングのサービスは万人に開かれているからだ。つまり、誰でも受注できるし誰でも発注できる。
もしも本当に、クラウドソーシングが「搾取システム」だとすれば、儲けたい人はみんな搾取側の方に回るだろう。すると仕事を引き受けるクリエイターの数(供給)が需要に追いつかなくなり、必然的に報酬単価は上がるはず。
クラウドソーシングは開かれた市場であるが、現状このような問題は生じておらず、果たして搾取構造が存在するのかどうかには疑問符を打たなければなるまい。
【発注篇】
もしも貴方の手に2,000円があれば、それを使って「300文字50円」の記事を40件も発注することができる。結果、全国のWebライターから計12,000文字の文章を著作権付きで手に入れる。
では、この12,000文字の記事を用いて、元手である2,000円を回収しようと思えば、これが実は難しい。
記事40ページのアフィリエイトブログから見込める期待収益が一ヶ月で40円だとして、2,000円を回収するには50ヶ月(4年)必要。しかし、4年も経てばブログは検索エンジンの底の底に沈んでしまい、アクセスされることもなく、アフィリエイト収入はほぼゼロになる。ボクの予測だと、このケースでは2,000円のうち1,000円も回収できたら万々歳だと思う。
ただし、当該ブログに用いられるアフィリエイト広告がクリック課金型ではなく成約型タイプだった場合(例えばクレジットカードや転職サイトの広告)、たとえ一件でも申し込みが入ればそれだけで5,000円~10,000円の報酬が入るので、一発逆転のワンチャンがある。
(しかしサイト訪問者が広告経由で申し込みをする確率は限りなくゼロに等しいので、ギャンブル要素が強くなる)
このように、じつはクリエイターから搾取する側であるはずの発注者も、元本割れのリスクを負っている。
しかしながら、今現在もWebライターの案件が数多く募集されていることから察するに、割と美味しいビジネスなのかもしれない。
ボクの試算では、クラウドソーシングに200万円くらい投資すれば、月収8万円のアフィリエイトサイトができるはずなのだが、所詮は絵に描いた餅。
ちなみに株式投資では、200万円の株式を購入したとして年利3%(年間で6万円の配当or株価上昇)を達成したら大成功だとされる。それと比べれば、クラウドソーシングの「発注投資」は、なかなか甘い思いのできる投資である可能性がある。(投資は自己責任で!)
さておき、「小説家になろう」のSEO(Search Engine Optimization 検索エンジン最適化)は驚異的に強い……ような気がする。
「小説家になろう」に投稿した小説のアクセス数を上げるため、文中にSEOで有利なトレンドワードを散りばめるとか、そういったゲスい方法も無きにしも非ずだが――
そうではなくて、
お金とか関係なしに、
純粋に書きたい人と読みたい人が集まる場所として「小説家になろう」は心の落ち着く場所のひとつだった。
資本主義に毒されたインターネットの世界では、比較的に。
資本主義に壊れゆく世界――といってもボクは共産主義者でもないが――、段々と生きづらくなってゆく閉塞感のある世の中に立ち向かうため、ボクたちは創作を続けるのであった。
(年内更新はこれで終わりです。来年も良いお年を…!)




