文字を書いて生活費を稼ぐ方法 Part1 (受注篇)
文章を書いてお金を稼ぐことは難しくない。文才はまったく必要ではない。どのようなつまらない日記であっても、買い取ってもらえるサービスがある。
それが『クラウドソーシング』で募集されるWebライターの在宅ワークだ。
※クラウドソーシング
Web上で行える業務委託サービス。ライター、デザイナー、プログラマーなどに仕事を発注できる。受注側の視点から見れば在宅の副業サービス。
クラウドソーシングでは、クオリティを問わない文章が1文字0.1円~0.2円で売買される。著作権ごと買われた文章は、アフィリエイトやSEO(被リンク集め)のためのブログに使われる。例えば、健康食品やクレジットカードの情報を調べようとして内容のない文章の集まった誰得ブログが見つかったとすれば、それはほぼ確実にクラウドソーシング経由で発注されたブログ記事である。
具体的な事例を挙げると、そこでは以下のような形でWebライター募集が行われる。
《300文字以上! 「ナメクジ」をテーマにした記事を書いてください。1件50円!》
これに対して、在宅のWebライターはこんな記事を書いて依頼主に送る。
《 私がナメクジにいつも悩まされていることを話したら、夫は笑って「ナメクジにはビールが良いんだよ」と言いました。夫は大学の生物学部教授をやっているので、ナメクジの生態については詳しいようです。そこで私は、日頃から家庭菜園で育てているキャベツにナメクジ除けのためにビールをかけてみました。すると夜になってびっくり!!
なんとビールをかけたところにナメクジがウヨウヨと集まっていたのです。ナメクジは酔っ払ってキャベツの葉をバクバクと食荒らし始めました。私は悲鳴を上げて、夫にそのことを話しましたが、彼は笑ってこう言うのでした。
「ほら、言っただろう。ナメクジはビールが大好きなんだ。俺もビールが大好きだから、俺とナメクジは同類だな、はっはっは」 316文字》
するとなんと、こんな文章でもちゃんと審査に通り、依頼主から50円を貰える。ちなみに、文字数を稼ぐために「です・ます調」にするのが望ましい。
依頼主は安く買い叩いた文章で大量のブログを自動生成し、アフィリエイトやWeb商材で儲けるのだ。そうしてインターネット上には意味不明なブログが次々と量産される。
さておき、このクラウドソーシングサービスを利用して、Webライターとして食っていくにはどうすれば良いのだろうか。
300文字50円が相場だとするならば、4,800文字で800円。
時速4,800文字で書けば時給800円だ!
かなり苦しいとは思うが、内容の無い文章で構わないならば不可能でもない、か……。
一ヶ月の最低生活費で8万円は欲しいとして、一ヶ月あたりの必要文字数は48万文字。
毎日書き続けるとすると、一日あたり16,000文字(約2,666円)
小説に喩えるならば、一月に長編小説を4本くらい書き上げるペース。
もしもこのような生活を続けられるのだとしたら、小説の新人賞に投稿しまくって作家デビューした方がコストパフォーマンスは良い気がする。
(Part2へ続く)