第1話 偶然
2人だけの秘密とか
そういうのってなんかいいですよね
特別感があって
2人だけの秘密
しかも相手はわからない
そんな状況での筆談
面白そうだと思いませんか?
パソコン室を使った授業は週2回
その時間が私にとってなによりの楽しみだった
今日も机の上のキーボードをずらす
「あった…」
そこには
『また返事くれたねMimiさん。 UG』
そう書かれていた
私はその文字をきれいに消してこう書き直す
『UGさんと話してるのがなんだか楽しくて Mimi』
それだけしたらキーボードを戻して、何事もなかったかのように授業を受けるだけ
そんな小さなことが私の何よりの楽しみになっていた
他の人には秘密の2人だけの筆談
こんなことが始まったのはちょうど2週間前
私は授業が暇で、頬杖をついたまま眠りに落ちそうになっていた
うとうとしていると、手から顔が落ちて頭がかくんとなる
その拍子に肘でキーボードをずらしてしまった
「あれ?寝てた…ヤバっ!」
あわててホワイトボードと教科書を見比べる
教科書を見ようと机に目を落としたとき気がついた
「なんだろこれ…」
キーボードの下になにかが書いてあった
誰かの落書きだろうか?
そこには
「授業ひまだな。寝そうだ UG」
と書いてあった
なんだろこれ?
Twitterかなんかのつぶやきみたい
私もどうせ暇だし…
私は書いてあった文字を消して
「私は寝ちゃってた」
と改めて書く
どうせ返事なんてこないだろうし
まぁ…書いたって別にいいよね
そう思い、軽い気持ちでUGさんへの返事を書いてみた
これがすべての始まりだった軽い気持ちでUGさんへの返事を書いてみた
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