目覚めると、光
注:ここだけ視点が変わります
ゆっくりと目を開く。
まぶしい。
あまりのまぶしさに、目を開くのが苦痛で仕方ない。それでも、目は光を欲して、意に反してでも自動的に開こうとする。
意識が急激に浮上してゆく。
やがて、光でいっぱいだった風景が徐々に影を帯び、その形を取り戻していった。まず、目を覆った自分の手が、そして次に、周囲の木々が見えた。
ああ、きれい、だな。
と、突然、その美しい木々の中に、大きな影が差した。
「あ……」
かすれた、自分の声。そして、聞こえる。別の人間の、声。
「おい、おい、聞こえているか?」
美しい風景を遮ったその人物は、黒い髪の、聡明そうな目をした若者だった。肩が、ぽんぽんと、二度ほど叩かれる。
聞こえてます、そう言ったつもりだったのに、声が出ていないことに、彼は気が付いた。喉を手でさすり、何度か咳をしてみる。すると、がさがさした分厚い紙のような感触のものが、喉の奥の方から出てくるのがわかった。ちょっと、血の味がした。
「聞こえてます」
今度は、すんなり声が出た。
口から、喉に引っ掛かっていたと思われる、大きなかさぶたのようなものを取り出して、やっとすっきりした気分になった。
……すっきりした?
いや、そうじゃない、何かがおかしい。彼は懸命に、探した。そこに、必ずあるはずのものを。
「シュラ?シュラ、どこ?」




