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Border Violators  作者: 月見里 翔
第一章 発端
4/14

目覚めると、光

注:ここだけ視点が変わります


 ゆっくりと目を開く。


 まぶしい。


 あまりのまぶしさに、目を開くのが苦痛で仕方ない。それでも、目は光を欲して、意に反してでも自動的に開こうとする。



 意識が急激に浮上してゆく。



 やがて、光でいっぱいだった風景が徐々に影を帯び、その形を取り戻していった。まず、目を覆った自分の手が、そして次に、周囲の木々が見えた。



 ああ、きれい、だな。



 と、突然、その美しい木々の中に、大きな影が差した。


「あ……」


かすれた、自分の声。そして、聞こえる。別の人間の、声。


「おい、おい、聞こえているか?」


 美しい風景を遮ったその人物は、黒い髪の、聡明そうな目をした若者だった。肩が、ぽんぽんと、二度ほど叩かれる。



 聞こえてます、そう言ったつもりだったのに、声が出ていないことに、彼は気が付いた。喉を手でさすり、何度か咳をしてみる。すると、がさがさした分厚い紙のような感触のものが、喉の奥の方から出てくるのがわかった。ちょっと、血の味がした。



「聞こえてます」



 今度は、すんなり声が出た。

 口から、喉に引っ掛かっていたと思われる、大きなかさぶたのようなものを取り出して、やっとすっきりした気分になった。


……すっきりした?


いや、そうじゃない、何かがおかしい。彼は懸命に、探した。そこに、必ずあるはずのものを。



「シュラ?シュラ、どこ?」


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