事件の予感なのさっ☆
「痛いじゃんか! 知元の馬鹿ぁ!」
凛先輩は秀の攻撃をまとも食らったのにもかかわらず知元に対してキックを繰り出していたりしていた。身体能力が良いのか次からは知元からの攻撃も避け始めた。
知元はと言うとこちらも身体能力が良いので互角に戦えている。すげぇー。
「秀、ボーっとしてないで止めよう。お兄ちゃんヒートアップしたら止まんないから」
「あーうん。でもどうやって止める? 結構大変そうだけど」
「私に任せて」
そういった紫亜は二人に近づくと小さな声で囁いた。
「スカート」
二人はほんとは仲が良いんじゃないかと思うほど同じタイミングでスカートを抑えた。
「ふっ、やるじゃないか知元少女」
「お前こそ、犯人を16回床に沈めた技はなかなかだ」
16回!? と言う事は羅々先輩が謎を解き、凛先輩が犯人を捕まえる。なんという名探偵素質なんだ。そう考えるとかっこいい。
「で、凛先輩。何の用だったんですか」
いつもの無表情が少し崩れあきれ顔になっている紫亜が凛先輩にため息混じりの声で質問する。流石の紫亜も呆れるほどだった。神埼先生の場合は見慣れてるから皆無表情か冷たい目線を向けるだけだけど。
「ああそうそう。秀少女、来週の日曜日開いているかい? 先生が事件の予感を感じているんだ」
「事件の予感?」
「そうだ。先生は事件を事前に予知する能力を「凛嘘を言うな」なんだよ知元」
知元は聞きなれているのだろうか。嘘をいとも簡単に見抜いた。
「依頼があったんだよ。脅迫状が来たってな」
「へー。早速ですか」
「百合ノ条家のお屋敷に脅迫状だ」




