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教師の本気
「ま、まままま、てやごんらぁ!?」
いかにも教師らしい怒った声を上げながら近くの植木鉢に当たる先生。
正直言ってださいです。
まあ笑っちゃうと怒られる要素増やしちゃうから言わないけど。
「先生。もうあきらめた方が良いですよー。俺これでも体育一年生の時からオール5ですからー」
少し茶化すように言ってみる。
もう俺怒られる事なんか考えない。
こう見えて小学校時代は女も男も交えて先生に悪戯仕掛けたしな。
それで毎回逃げるときは俺が先頭。
逃げるルートは俺のが一番逃げやすいだとか。
「ふふ、秀さん。先生をなめるんじゃない。必殺! 教師の本気!」
え、何それ。ネーミングセンスないな。
と思いきや意外と中身は凄かった。
俺と先生50段くらい離れているのだが一気に10段くらいになってしまった。
「マジかよ……」
ちなみにこんな事は俺は初めてだ。
「ど、どしよう」




