これ、アウトです。
いや、リンチじゃなかったら……もしかしたら男ってことばれた!? だったらまずい。ああ、どうしよう。これでは完璧に俺の学園生活、いや、人生が終わる。これは何としてでもばれないようにしなければ。
こんなことを考えているうちに、一時間目の学活は終わってしまった。仕方がない。ここで行かなかったら逆にやばい事になりそうだ。
しぶしぶ紫亜さんの席へ向かう。緊張で足が震える。ヘタな事はしないよう最善の注意を払っていこう。
「あのー紫亜さん何の用でしょうきゃ?」
まずい。変なところでかんでしまった。
しかし、紫亜さんはそんなこと気にもせずこちらを向いて口を開いた。何を言われるのだろうか。あぶなく無い発言であることを願う。
「放課後、屋上に来て」
アウトォォォォォォォォォ! 今きっと俺の顔は真っ青であろう。多分こんなに焦ったのは、小学校の時同級生に女物の服を着ろと言われた時以来だ(結局来たが)。もうあの時のような屈辱は味合わないぞ俺は!
「待ってるから」
さらにこれは「テメー来いよ絶対。来ないと……どうなるか分かってるよな?」ってことですか!? やだ、まだ俺しにたくない。
泣きたい気持ちを必死に抑えて放課後までの5時間過ごしたのであった。