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朝の貴族と庶民
パァン!
突然響き渡る銃声。
舞散る髪の毛。
「ひいいいいいいいいい!?」
顔ギリギリに撃たれたのだ。
「おっはよー! って秀!?」
「ち、知元助けて!!」
ちゃんと知元は驚いた。
なんで、瑠宇平然とした顔してるんだか。
「朝から五月蠅いですわ。まったくこれだから庶民は」
「百合ノ条お前か。それ、俺の知り合いなんだが良いか?」
「あら、男ではないかと言われる佐々木さんじゃ有りませんの」
今知元と会話をしているのはクルクルピンクのツインテ少女だ。
「これは良い機会ですから自己紹介いたしますわ。私は百合ノ条 結莉です。侯爵令嬢ですので」
「自己紹介してないでさっさとそこにいる奴返せ。実はおバカ疑惑のある結莉さん」
「あら、これは普通結莉様じゃなくて?」
「おい秀。こいつ等からにしよう」
「ええ!?」




