女装ってつらい……
「えー。この、桜の舞散る美しい季節に皆さんのような麗しき乙女と出会う事が出来まして大変うれしく思っています」
いまの発言が変態発言にしか聞こえないのは気のせいか?この校長ルックスはいいがドラマに出てくる悪役の顔をしている。そのせいか発言も変態発言以外はすべて嘘のように聞こえる。
しかし、体育館寒いな何故、俺は男なのにスカートをしかもこんな短いのを履かなきゃいけないんだか。理由は簡単。試験会場を間違え女子中の試験を受けたから。俺はなんてバカなんだ?今まで人に「自業自得だ。」などと言ってきたが今すぐ撤回し謝りたい気持ちだ。後悔してもどうにもならない事は分かっている。女装なんてしたくなかったのに、しなくてはいけないだなんて。しかも三年間。
「では、これから三年間宜しくお願いします」
校長の十分間に及ぶ長い話が終わった。驚く事に話の最中誰ひとり隣の人と話さないし足もばたばたしていなかった。それどころかピンと背筋を伸ばしまっすぐに校長の方を見ていた。話が終わると大きな拍手が響き渡った。これが小学校とのレベルの違いか。
一組から退場していく。皆歩き方がプロモデルのようだ。なぜなら、ここはお嬢様学校らしいから。男の俺にそんな事が出来るはずもなく涙目になりなだらも前の子の後に付いていく。そして、四階にある自分の教室ファーストCクラスへと向かった。