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森の小さなドア職人

作者: 藤乃花

森の中にある青い屋根のお家

町から少しだけ離れた森の中、青い屋根の小さなお家にドア職人さんが住んでおります。


ドア職人さんの名前はビラートさんと云って、どんなドアも思いやりの心で直してくれます。


治してくれる、と言っても良いでしょうか。


ドアにだって、感じる事の出来るハートがありますからね。


「さあ……今日治して欲しいドアくんは、どんなハートを持ってるのかな?」


ビラートさんはその日治す予定の白いドアを壁に立て掛けて、ハートがある場所に右手を添えました。


〈コンコン〉


強すぎない力でノックして、ドアのハートを確かめてみます。


「ドアくん、どの辺が悪いのか教えてくれないかい?」


ドアに耳を当てながら答えを待っていると、反対側からドアが答えました。


「ビラートさん、私はとりたてて体が悪いわけじゃないんです。

数日前から私のノブの鍵穴の中に夢の卵が産み落とされているんです」


ドアは穏やかな声をこぼして、ノブの鍵穴をビラートさんの側へと寄せました。


「夢の卵……絵本で読んだことがある、あの夢の卵かい?」


「はい、今その夢の卵が寝息をたてています。

聞いてみてください」


ドアがそう云うと、ビラートさんはノブの鍵穴を『耳』で覗いて見ました。


『耳』で覗いた鍵穴から、小さな寝息が聞こえます。


〈*********〉


間違いなく、夢の卵が寝息をたてています。


「ですから卵から夢が羽化するまで、どうか待ってくださいませんか?」


ドアは低姿勢でビラートさんにお願いしました。


夢の卵が眠りについているのですから、待つしかありません。


「もちろん、夢が夢から覚めるまで待つとも」


〈******〉


「ありがとうございます。

私は今、夢気分です」


「同じ、ボクも夢気分だな」


〈*******〉


夢の卵の寝息を耳にして、ビラートさんもドアも夢気分。




























『耳』で聞く物語の続きは、御想像におまかせします

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― 新着の感想 ―
良い話だけど、投稿ジャンルは、童話が正解ではないでしょうか? なろうハイファンタジーを好む読者とは、合うラインではないかと。
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