24.怪獣?
「ん?どうしたのかな?突然の美少女にびっくりしちゃったかなっ!?」
なんか自信満々なリィラだが、気になるのは後ろの海から生えた巨大な腕である。
肌の色は薄い黄土色で、巨大にしては少し細く、細かい凹凸があるがぶよぶよしているようなヌメヌメ感がある。
指の先端は尖っているが、指が5本あってまるで人間のようにも見える。
だが腕の中心部分が窪んでおり、やはり人間とは違う異形の腕である。
「まぁ突然現れたもんな!びっくりするだろう!だが安心しろ!私は敵じゃない!」
いや突然現れたリィラと名乗る少女も充分気になるのだが、今はその後ろにいる化け物の方が気になる。
「…あれ?聞こえてる?時間止まってるのか?誰か時止め魔法でも使ったのか?」
リィラは無言で固まる2人と1匹に困惑する。
挙動不審にキョロキョロするが、真後ろまでは確認しない。
それをもどかしく感じたアキラが質問をする。
「その…、後ろの奴は、お前の仲間だったりするのか?」
「ん?後ろのやつ?ああこれか?これは【ゲート】っていう魔法でな!猫型ロボットの未来道具のように、あらゆる場所へ空間を繋げられる空間魔法で…」
「いや!後ろのやつだ後ろのやつ!」
やんちーが咄嗟に野次を飛ばす。
「ん?いやだからこれはどこで〇ドアみたいなもんで…」
ばんばんと白い扉を叩きながら説明するが、後ろは一切見ないリィラ。
「あ、動いた…」
サクラが気付きそう呟くと、海面から飛び出た腕はゆっくりと斜め左側のこちら側へ傾く。
「へ?いや扉は動かな…」
そう言ってようやくリィラが振り向こうとすると、視界に巨大な腕が入り、ようやく存在に気づいたリィラ。
ドシンッ!!!
と巨大な腕が道路にしがみつく。
そうしてゆっくりゆっくりと海面に巨大な影が浮かび上がり、ザバァと巨大でやせ細った身体が現れる。
身体は肋骨に沿って窪んでおり、内蔵も肉も詰まっていない。
腕は思ったより長く、人間の腕を1.5倍くらい長くした感じだろうか。
「な、なんじゃこりゃあああああああああぁぁぁ!!??」
リィラはびっくりした顔で叫んだ。
頭も無く、頭の代わりなのか巨大なテヅルモヅルのような物体がくっついており、うねうねと動いている。
あれが頭なのだろうか?
「キュィオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!」
うねうねとした巨大テヅルモヅル頭の中央の口のような部分から、甲高い巨大な咆哮が空気を振動させる。
「でかすぎんだろ…」
「あれも怪人なんですか…!?」
やんちーが呟き、サクラがアキラに質問する。
「怪人ってか、あの規模だともう怪獣じゃねぇかな…。人間の形には見えるが…、正直あんなバカでかいのは見た事ねぇ…」
アキラが引きつった顔で見上げながら答える。
「怪獣ですか…」
「どっちかっつうとホラー映画とかに出るやつじゃねぇのかあの化け物…」
「やめてくださいやんちー。夢に出てきそうです…」
「す、すまん…」
そんな会話をしている中、リィラと名乗った少女が後ろ歩きしながらゆっくり近付いて来る。
「お前達って、あのでっかい化け物倒せるのか?」
アキラは無理無理と首を振る。
「魔力があれば、或いは…。でももう使える魔力が無くて…」
「ふむふむなるほど…。うさぎさんはどうだ?」
「え?いや俺も無理だが…」
「そうなのか?じゃああの妖精の魔力爆発はお嬢ちゃんの力か」
「えっと、たぶん…?」
「なるほどなるほど…、ふぅむ…」
何やら顎に手を当てて悩むリィラ。
「おいおい考えてる暇ねぇぞ!!!」
やんちーが叫ぶ。
巨人のような化け物は、テヅルモヅルのような頭の触手を勢いよく伸ばし、こちらへ無数に伸ばしてきた。
なかなかにキモイ。




