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授与式

目を開けると、眼の前に見知らぬ天井が見えた。立とうとすると、足に力が入らず、倒れてしまった。

すると、遠くから焦ったようにばたばたと走る音が聞こえたあと、ガレンさんが部屋に入ってきた。

「おい、大丈夫か⁉でも、ようやく目覚めたんだな。良かった!」

「はい、ご迷惑をおかけしました。ところで、色々聞きたいことがあるんですけど…まずここどこですか?」

「俺たち〝紅き烈火〟の拠点だ」

「ここが拠点…あと、足に力が入らないんですけど、これはなんですか?」

「魔力切れの後遺症だな。まあ、それは少ししたら治るから安心しておけ!」

「じゃあ…僕が気絶したあとどうなりましたか?」

「無事に外に出たな…ああ、そうだ、魔物の魔石はアイテムバッグの中に入れておいた。一部我々がもらったが、8割ほどは残っている。」

「じゃあ、僕が元気になったら冒険者ギルドに行きたいのですが…」

「もちろんだ!仲間には俺から言っておくよ!」

「ありがとうございます!」

「寝ているときが一番回復するから、たくさん寝てお

け」

「はい、わかりました。ありがとうございます。」

そして、僕をベッドに戻したあとガレンさんは部屋を出た。

よし、まず『トレース』について分かったことを整理しよう。

1、魔力はトレースできない

僕が魔力切れを起こしたことから明白だと思う

2、身体能力はトレースできる

身体能力をトレースできなかったらリムルの『虚崩朧・千変万

華』とか使えないしね

3、技の威力が若干落ちる

流石に一緒だったら怖いよ

4、トレースをするのには魔力がいらない

魔力が減っているように感じなかったからね、少し使っているかもしれないけど…

分かったのはこれぐらいかな、さっさと良くなって、ギルド行くぞー!って言うわけでおやすみ…


3日後

「元気になりました。ご心配をおかけしました」

「いやいや、元気になってくれて良かった!」

「カイト…この前はごめんね…」

「え?何が?」

「気にしてないの?」

「何を?なんかされたっけ?」

「いらない、みたいなこと言ってたでしょ。私達。」

「ああ!確かにそんなこと言ってたね。まあ、気にしなくていいよ。」

「私達のパーティーに入ってくれてありがとうね!お陰で助かったよ!」

「まあ、僕は自分のできることを精一杯やっただけだから…それよりもギルドに行きたいな!」

「おし、分かった!ギルド行くぞ!魔石の換金もしたいしな!」

「「「「おお!」」」」

「そういえば、僕ってどれくらい寝てたんですか?」

「まあ、一週間程度だな」

「一週間⁉ものすごい迷惑をかけましたね…」

「俺たちを助けてくれたんだ。別に迷惑でも何でもない。というか、一週間で目覚めるほうが異常だからな?」

「え?そうなんですか⁉」

「魔力は体調管理もしているからな、1ヶ月くらいは寝たままになる人が多いんだ。」

「そうなんですか…」

そんな、話をしていると大通りに着いた。

「今見ると…色々なものが売っていますね!」

「ここらへんには、なんでもあるからな。お、串肉あるぞ、食べるか?」

「はい!」

「すまん、串肉を5本くれ」

「はいよ!銅貨10枚だ」

僕がお金を出そうとすると止められた。

「今日は俺等の奢りだ。」

「え?いや、悪いですし」

「まあまあ、遠慮するなって!」

「……分かりました。」

皆と合流したあと、ギルドに行った。すると…

「〝紅き烈火〟の皆さんじゃないですか!モンスターパレードに巻き込まれたと聞いて壊滅したと思っていたんですが…流石はガレンさん!無事で良かったです!」

「いや、多分俺たちの力じゃ、あそこで死んでいただろう。全部カイトのおかげだ」

「ええ⁉僕ですか⁉」

「あのなぁ、お前は自分のこと過小評価し過ぎなんだよ!モンスターパレードを魔法一つで壊滅させることが出来たやつなんていないんだぞ?」

ガレンさんがそう言うと…周りが

「あんな子供がモンスターパレードを一発で壊滅⁉」

「まじかよ、すげーな!」

と言う感じで騒いでいた。あまり目立ちたくなかったんだけどなぁ…

そこに

「失礼する」

と言って、入ってきた男がいる。その男は僕が助けた人にそっくり…って本人じゃない⁉

「ハロムド王⁉」

「なぜここに⁉」

「少し静かにしてくれ。そこの少年、名を確か…カイトといったか?私を〝暗黒の翼〟から助けた存在に心当たりはないか?

私を助けたあとに門に入ったのはそなただけのようなんだが?」

やばっ、え、どうしよ

「い、いいえ?何も知らないですよ?」

「そうか…」

ハロムド王は何かを懐から取り出した。

「これは真実が分かる水晶玉でな。真実なら緑に、嘘なら赤に光る。もう一度、同じことを言ってくれないか?」

「………えーと…何も、知らないです」

そう言うと、水晶玉が赤く光った。

「ふむ…そなたは何か知っているようだな。教えてくれぬか?」

「………」

「頼む」

「はあ…分かりました。」

「ありがたい。それじゃあ、私を助けたのは誰だ?」

「…僕ですよ…」

「すまない、もう一度言ってくれないか?よく聞こえなくて…」

「僕です!あなたを助けたのは!」

「そうかそうか…やっぱりな…礼を言う。助けてくれてありがとう、感謝する。」

「いえ、僕は当然のことをしただけです。困っている人がいたから助けた。ただそれだけです。感謝されるほどすごい人間じゃないです。」

「ほお、自慢せず当たり前の顔をして人助けをする…か。面白い…!」

「あの、どうかしましたか…?」

「いや、なんでもない。まずこれが星金貨10枚だ。そして、そうだな…そなたには子爵の位をやろう。授与式を行うため、明日王城に来てくれ。良いな?」

「はい」

「また明日会おう」

ふう……緊張したなぁ……

「あ、そうだ、換金お願いします」

「はあ…分かりました…どれくらいですか?」

「まず、キングリザードの魔石が1…10…100…1000個で鬼の魔石が100個あとはその他諸々です。」

「……⁉……」

僕がそう言うとギルド職員の手が止まった

「あれ?大丈夫ですか?」

「……」

「もしもーし」

「はっ!すみません、換金ですね。計算しますと…星金貨3枚ですね。それと、モンスターパレードを壊滅させた〝紅き烈火〟の皆さんには一人、白金貨10枚をお渡しします。」

ん?ということは…たった数日で131億円手に入れたってことか⁉え、やばっ!

「えーと…そんなにもらって大丈夫ですか…?」

「ええ、あなたは偉大な事をしましたからね。何なら少ないくらいですよ」

「そうなんですか」

「カイトはすごいな…」

「僕は、まだまだです。まだ強くなれますよ」

「そうか……それよりも明日に向けて正装を準備しないとな」

「そっか……あした呼び出しされているのか……」


次の日

「カイトよ、私達を助けてくれたことに感謝する。そしてその功績を称え子爵の位を与える」

「はは、ありがとうございます。」

「し、失礼します!」

「なんだ?今は大事な授与式を行っておるのだぞ?後にせよ」

「しかし……帝国軍に動きがあった模様!ここハロムド王国へと侵攻を開始しました!」

「なんだと!」

「嘘だ…また悪夢が…」

「もう…終わりだ…」

ふむ、数が少なかったら簡単に倒せるが…

「数はどれくらいだ?」

「数はおよそ5万!前回の侵略を大きく上回る兵の数です!」

「到着はいつ頃になりそうだ?」

「到着予想は3日後になりそうです。」

「兵をすぐに集めろ!そして国民にも伝え、対策をさせるのだ!武器や物資の調達もしろ!」

「「「「「は!」」」」」

「カイト、貴殿も協力をしてくれるか?」

「ええ、もちろんです。ちょうど大群殲滅魔法もあるので、5万なんて楽勝ですよ!」

「ならば最前線で戦ってくれるか?」

「はい、問題ありません」

「国王!帝国軍の兵が見えてきました!」

「なんだと⁉早すぎるではないか⁉」

「魔導士の転移魔法だと推察されます!」

「くそ…

兵が集まりきっていない……カイト……申し訳ないが1人でいけるか?」

「余裕です」

「ふふふ、頼もしい、頼んだぞ!この国がどうなるかは貴殿にかかっておる!」

「重々承知しております」

トレース:『リ◯ル=テンペスト』

『部分擬態:ジャイアントバット』

翼が生えた僕を見て、王様は…

「貴殿は魔物なのか…?」

というふうに驚いていた。まあ、普通は驚くよね

「いいえ、違います。魔物の一部を擬態しているだけです」

「そうか…それはすごい!」

「では行ってきます。」

「頼んだぞ!」

「お任せください」


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