ダンジョンへ
「ダンジョンはどこにあるんですか?」
「ん?大体、50キロ先の森の中だが?」
「50キロ⁉」
「まあ、大変だけど、慣れたら全然平気よ?」
「え、じゃあ、送りましょうか?」
「馬車でも使うの?だめよ、高すぎるもの。」
「いえ、『空間転移』をしようかと…」
「「「「『空間転移』⁉」」」」
「全ての属性を極めた人しか手に入れることのできない伝説のスキルなのに!なぜあなたが使えるの⁉」
「え、なぜと言われても…」
トレースしました……なんて言えないよなぁ…
「まあ、努力で」
「そう、納得行かないけど『空間転移』できるなら、森のところまで連れて行ってくれない?」
「ええ、いいですよ」
二重トレース:『ラ◯マ』『リ◯ル=テンペスト』
「『千里眼』そして『空間転移』」
「本当に…森の前…ですね…」
「まさか、本当にできるとは思わなかったな」
それから5分が経ち…
「ここがダンジョンだ」
「なんか……ただの洞窟みたいですね」
「まあ、外見はな!」
「中は、めちゃくちゃ広いらしいからな。早速入るか!」
「はい!」
入るとひんやりしていて、意外と明るかった。
「意外と明るいですね。」
「ダンジョンには明かりの魔道具が等間隔で置かれているからな。それなりに明るいぞ。」
そして3度ほど階段を降りて4階層に着いた…
ん?あれは…トレース『リ◯ル=テンペスト』そして『解析鑑定』リザードマンが4体とキングリザードが1体か
「ガレンさん」
「なんだ?」
「前から、リザードマン4体とキングリザードが来ています」
「なに⁉キングリザード⁉Bランクの魔物だ!よし、戦闘の準備だ!気を抜くなよ!」
「よっしゃ!やってやるぜ!」
「貫け氷の槍『アイシクルランス』」
「まだまだ行くよ!荒狂え『アローレイン』」
「ライ!ブレスが来るぞ!」
「分かってる!」
「トドメだ!『狼虎』」
素人の僕でも無駄が多いってわかるんだけど……これが普通なのかなぁ?
「……毎回こんな感じで戦っているのですか?」
「そうだが…?」
「まず、全員が固まりすぎです。もう少し離れて対処しないと囲まれて負けますよ。ライさんとガレンさんは近接攻撃なんですからもっと、果敢に攻めてください。後ろにはリルとルーナさんがいるので大丈夫です。お二人は、敵を誘導し、前衛二人の負担を少なく
するために魔法を使ってください。一発で仕留めるのではなく、次の行動も考えて攻撃してください。実際、後衛の攻撃と前衛の攻撃が噛み合っていませんでしたよ。皆さん分かりましたか?」
「ああ…分かった」
「「…」」
「分かりましたか?」
「「うん…」」
「僕は魔石を回収してくるので少し待っていてください。」
「おい、何だあの子。的確に指導しているぞ?」
「あれだけの事をたった一戦で見抜くなんてすごいな。」
「あの子…何者ですか…?」
「おまたせしました!……どうかしましたか?」
「いや、なんでもない。だろ?」
「「「ああ!」」」
「それならいいんですが…そういえば、このダンジョンって最深部は何階なんですか?」
「100だ。だが、今は63階層までしか到達されていないがな!」
その時、遠くから「うわー!」という叫び声が聞こえてきた。
「今の…叫び声ですよね?」
「こんな浅い階層で…一体何があったんだ?」
「そういえば、キングリザードって15階層の魔物だよね?なんで4階層にいたの?」
「「「そういえば⁉」」」
「ということは…このダンジョンでイレギュラーが起きている可能性が高い!俺は、冒険者たちを助けてくる。お前たちは先に外に出ておけ!」
「はっ!兄貴をおいて逃げるわけ無いだろう?」
「そうよ!あんたは仮にもリーダーなんだから!」
僕たちはみんなでガレンさんに着いていくと言った
「みんな…ありがとう。こんなわがままな俺だけどついてきてくれ!」
「「「「おー!」」」」
しばらくすると、魔物と奮闘中の冒険者を見つけた。
「大丈夫か?助太刀する!」
「ありがとう、助かった!ただ、俺は傷が深い…もう死ぬかもしれないな…」
「ルーナ」
「分かってるよ。ハイポーション作成。はい、これ。」
「ありがとう!お嬢さん!皆さん本当にすまない!俺は先に外に活かせてもらってギルドに報告してくる!それまで耐えてくれ!」
「こいつ、オーガか。なんでこんなところにいるんだ?10階層の魔物のはずだが…」
「違う…そいつはオーガじゃない…オーガの亜種、鬼…20階層の魔物だ」
「そうか、だが関係ない!さっきカイトに教わったとおりに動くぞ!」
「「「はい!」」」
「大地よ!うごめき拘束せよ!『アースクエイク』」
「狙い撃て『スナイパー』」
リルが相手の動きを止め、ルーナが相手の武器を奪った
注意が後衛の方に言ったから…
「ライさん今です!」
「分かってるよ!『崩星』!」
「こっちにもいるぞ!『狼虎』!」
ライさんが正面から斬りかかり、ガレンさんがその隙に背後にまわり攻撃する。ライさんに注意が言ってるから、ガレンさんの攻撃は通る。ガレン
さんの攻撃を止めようとしたらライさんの攻撃が通る。つまり…
「「「勝ちだ!」」」
「ウオオオオオオオオオオオォォォォォ!」
断末魔を上げながら、オーガ…いや鬼は倒れた
「「「「か、勝ったぁぁぁ!」」」」
「今までで一番戦いやすかったぞ⁉」
「私も攻撃がしやすかったです!」
「相手の注意を色んな方向に分散させる…そうすると、どんどん攻撃が入るということか…カイトはすごいな!」
「あはは、ありがとうございます」
すると、遠くから『オオオオオォォォォ』という声が聞こえてきた。
「まさか、モンスターパレード…?下層部の魔物が上層部に進出し、一度に何千もの魔物が群れをなし襲ってくる凶悪の…」
「そうだとしたら、かなりまずい!全員撤退だ!」
「「「「は、はい!」」」」
「ってクソ!後ろにもモンスターが!」
「カイトどうすればいい⁉ 」
「……後ろを強行突破します」
「前から魔物が来てるぞ⁉音的にあと数秒もすれば追いつかれる!」
「皆さんは後ろの魔物に集中してください。前は……僕が引き受けます。」
「何だと⁉お前じゃあ無理だ⁉」
「信じてください。大丈夫ですよ。多分死にません。」
「…分かった。カイトが魔物を抑えている間に後ろの魔物を片付けるぞ!」
「後ろにも数百体ぐらいいますが……」
「関係ない!蹴散らせ!」
さて、本気出しますか!
2重トレース:『リ◯ル=テンペスト』『ベ◯・クラネル』
「『操糸妖縛陣』!」
僕たちの眼の前でモンスターは動きを止め、言葉通りばらばらになるやつもいた
そして右手に光が収縮し始め、グランドベルの音があたりに響き始める。
数分のチャージ後、一声
「ファイアボルト!」
「「「「⁉」」」」
熱風そして轟音と激しく明るい白い光に魔物も人も目をつぶる…そして、再び目を開け、振り返ると…ただ一人の少年が立っていた…
「「「「「す、すげぇぇぇぇぇ!」」」」」
「君のその力は何だ?今までの勇者に今のような強力な攻撃をできる人はいなかったが…」
「まあ、知ってると思いますが『トレース』ですよ」
「その人物を知りたいのだが…」
「うーん……流石に秘密です」
「ところで、眼の前の魔物が微動だにしないのだがなにか知らないか?」
「ん?ああ、『粘鋼糸』で捕まえています。」
もちろん、リ◯ルのね!
「もしあれだったら僕が始末しておきましょうか?」
「できるのか?」
「もちろん!」
「それじゃあ、頼む」
トレース:『シ◯ファ』
「ラングリス流『一虎・顎』」
一瞬のうちに数百いた魔物が木っ端微塵になり塵となり消えた…
「「「「………」」」」
ふう…こんなもんかな!すると、突然脱力感に襲われ、両手を地につけ異
常なほど発汗していた。
「なん、だ…これ…急に…」
「大丈夫か?こんだけ大技を連発していたら、魔力切れも起こすさ。ゆっ
くり休んでいな」
「いや、ですが……迷惑、を、かける、わけ、には…」
「ここまで頑張ったんだ!ゆっくり休みな」
周りを見ると、皆が笑顔で頷いていた。そんな様子に安心したのか、急激な眠気に襲われ、意識が闇の中に反転した……