十五話 帰宅とバルバロッサ
シャンバラは、少し落ちこみながら、皇族領にある自身の邸宅に帰還した。それからしばらくして連絡が入った先代から食事をしようとの誘いであった。誘いを受けたシャンバラは、エリ湖にあるブリュンヒルト所有の港に来ていた。そこには、一隻のクルザーが停泊していた。先代邸がある方からVV-28が飛んできた。おそらく祖父だろう。しばらくして、祖父と祖父の執事の二人がやって来た。
「シャンバラ、今朝ぶりだ」
「こんばんは」
「どうした。元気がないようだが。やらかしたか」
「恐らく」
「まあ良い、話を聞こう。その前に食事だ」
そう言って、執事を引き連れて船に乗ってしまった。同じようにシャンバラも乗船した。シャンバラが乗船して、しばらくしてクルザーは、就航した。クルザーは、一時間程走った後、ブリュンヒルト家に与えられた範囲の中央で停船した。そして、天井がカラス張りの部屋で夕食会が始まった。
「今日は、疲れただろう」
「はい、想像していた以上に消耗しました」
「そうか。何をやらかしたのだ」
「はい、筆記試験は問題なかったのですが」
「面接か」
「はい」
「そうか。ここ五十年難易度が上がっている原因だな」
「そうなのですか」
「そうだ。しかし何をやらかしたのだ」
「はい、軍と貴族はなんだと聞かれました」
「そうか、なんと答えたのか」
「軍についてはわからないと答えました。そして貴族に関しては、貴族と帝国民の違いは、地位を除けば何もありません。実際に帝国の周辺国には、貴族がいない国家があります。そう考えると、現在の帝国で貴族行っていることは、富の再分配の機関の一つではないかと回答しました」
「そうか」
「これで良かったのでしょうか」
「面接官の中におそらく中央に、サッシュを掛けている者はいなかったか」
「いました。中央に薄紫で縁取られた濃赤のサッシュを掛けた男性がいました」
「そうか、なら大丈夫だろう。それにしても階級を上げたな」
「お知合いですか」
「悪友だ。そいつは、貴族省副大臣ガストロ侯爵だ」
「そんな方がなぜ試験官を」
「あいつのことだ、どうせ暇つぶしだ」
「それにしても、なぜあんな質問を」
「原因おそらく私だろう」
「おじいさまが原因ですか」
「ああ、あいつとは、初等から同じだ。中等学校であった事件が原因だろう。中等学校で上級生と私が揉めたのだその時に私が上級生にした質問だな
「では、あれは、おじいさまが言われたことなのですね」
「そして、奴はそれを聞いていた。答えに行きついたのであろう。しかし、いまだにその答えに満足していないのであろうだから質問するのであろう「軍と貴族はなんだと」そして自身にも」
「そうなのですか」
「そうだ、そしてそれが原因でここ数十年難関と言われている原因だ、しかし正解はどこにもない」
「ないのですか」
「ない、上を見てみよ」
そこには、星空が広がっていた。
「こうして見ているように。星々は、広がっていてそこには、宇宙がある。今の地位は誰が与えた」
「戦いと歴史でしょうか」
「そうだ、戦争に勝利した者が歴史を紡いで来た。そしてこれからもだ。しかし、どの時代も有限だ。数百年前は、別の皇族が支配した。そして破滅した。この繰り返しだ。いずれこの宇宙も存在をやめなくなってしまうかの知れない。なんなことからしてしまえば今の権力はちっぽけなものだ」
「難しですね」
「そうだ、簡単にしてしまえば皇帝はどうして皇帝なのであろうか、そして何が皇帝タラ占めるのであろうか」
「わかりません」
「そか、では考えなさい。そして苦しみなさい」
「苦しむのですか」
「そうだ、苦しむのだ。そして、その答えは、いずれ気が付く」
「わかりました。考えてみます」
こうして、食事会は終わった。シャンバラは、疲れたこともありこのままクルザーに宿泊したが、バルバロッサは用事があるとのことで、飛んで来た、バルバロッサ専用機であるVV-28に乗って戻っていった。




