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混沌戦々  作者: ザッキー
第一章「赤」 赤き青年の始まり
8/9

暴走

 ・牙爪「カクゴハイイナ、ガキドモ!」

 次の瞬間、牙爪は人間離れしたような動きで、剣、春、龍希の三人以外の入隊挑戦者達をものの数秒も立たずに吹き飛ばした。

 ・剣「くっ!さっきまでとは比較にならない速さだ」

 ・春「ま、マジかよ」

 ・龍希「…まずいね、これは」

 牙爪の動きを目で追えない三人は焦っていた。

 ・牙爪「ドウシタ、サキホドヨリモスキダラケダゾ!」

 そう言いながら牙爪は高速移動しながら三人を円状で囲んでいく

 ・春「こんな怪物相手にどう戦えばいいんだよ」

 ・龍希「考える時間もなさそうだし、このままだと負ける」

 ・剣「落ち着け二人共、まだ負けと決まったわけじゃない!」

 ・春「で、でもよ~」

 ・剣「目で追えないなら、気配を感じ取れ、それぐらいならお前らもできるだろ?」

 ・龍希「ああ、できるよ、しかし気配を感じ取れてもあの速さに対応できるかどうか……」

 ・剣「…大丈夫だ、今は一人じゃない三人いるだろ!」

 ・春「?!、へっそうだったな!」

 ・龍希「一人じゃ勝機がなくとも三人いれば勝機があるかもしれないしね!」

 そう言い三人でおのおのの武器を構えて円のように陣を組む


 その頃……

 ・桐須「あのバカ牙爪、あまり本気でやるなとあれほど言ったのに!」

 ・ジーン「ふむ、これは止めねばいけないかな」

 ・桐須「のんきに言ってる場合じゃないわよ、ジーン!」

「知ってるでしょ!あの子が“昨年の試験”で入隊挑戦者を瀕死状態まで追い込んだのを!」

 ・ジーン「もちろん知ってるとも、しかし昨年の入隊挑戦者と違い、あの三人はなかなか強いぞ!」

 ・桐須「それでも、あの子達はまだ私たちのように力を授かってないのよ。まだ一般人と同じようなものじゃない!このままだと大怪我では済まないわ!最悪、死もあり得るのよ!」

 ・ジーン「だが試験内容は『生き残れ』といってたではないか、あの三人もそれなりに覚悟が…」

 ・桐須「あれは牙爪が勝手に決めた内容よ!ホントに殺しにかかるわけないじゃない!」

 ・ジーン「そうなのか!それはしらなかった、俺はてっきり…」

 ・桐須「しっかりしてよ、第四軍総帥なんだから」

 ・ジーン「えーとなら桐須隊長も、もう少し第四軍総帥である俺を尊敬してくれてもいいんじゃない?」

「一応上司でもあるんだし…」

 ・桐須「いつも暴走してしまうあなた達、第四軍の面倒を見ているのはいったい誰だと思っているの?」

 ・ジーン「桐須様です。」

 ・桐須「よろしい、とにかく急いで牙爪を止めるわよ、あの子一度暴れだすと止まらなくなるんだから!どこかの誰かさんと同じように!」

 ・ジーン「流石に俺でも牙爪みたいに暴れたことはないぞ」

 ・桐須「……何が?」

 と桐須がジーンに向かって笑顔で振り向く

 ・ジーン「な、なんでもありません!」

 ・桐須「よろしい、ならすぐに止めに行くわよ」

 そう言いながら桐須が止めに行こうとしたが、ジーンが…

 ・ジーン「だが、桐須止めるのはまだダメだ!」

 と言い桐須を止めた

 ・桐須「はぁ?なんでよ?」


 場面はかわり剣たちはというと………

 ・剣「さて、陣を三人で組んだのはいいが、」

 ・龍希「ここからどうするのか、だよね」

 ・春「ん~と、先に攻撃をを仕掛けてみるのはどうだ!相手もこっちの様子をうかがってるし、先手必勝ともいうしな!」

 ・剣「馬鹿野郎、相手の方が動きが速いんだぞ、返り討ちに会うに決まってる!」

 ・龍希「じゃあ逆に、相手が攻撃するのを待って、攻撃してきた場合カウンターか受け流したりして防御に集中したらいいじゃないかな?この試験には時間制限があるから時間まで耐えればいいし」

 ・剣「確かに、それが一番いい考えだが、あいつを見ろよ」

 剣にそう言われて春と龍希が牙爪のほうを見る

 ・牙爪「フゥーーー、ガルルルル」

 ・春「………」

 ・龍希「………」

 ・剣「時間制限関係なしに俺らを殺す気で来てる、そんな状態だぞ、たぶんあいつ理性を保てていないぞ。」

 ・春「た、確かに…]

 ・龍希「はた迷惑な話だよ」

 と龍希があきれたように言う、すると春が、

 ・春「だったら試験官のあそこの二人に止めてもらうように頼んだらいいんじゃね!流石に相手が俺らを殺しにかかるほど理性保てずにいる状況なら止めてくれると思うし」

 ・龍希「なるほど、それも一理あるね、けど僕はあまりおすすめしないかな」

 ・春「な、なんで?」

 ・剣「龍希の言う通りだ、試験官に助けを求めるということはこの試験を諦めるということになってしまう」

 ・春「で、でもよ、あいつ俺らを殺す気で来てるんだぜ、流石にまずいだろ」

 春がそう言うと剣は険しい顔をして

 ・剣「覚えてるか、あいつが最初に言ったこと」

 ・龍希「『生き残れ』だったね」

 ・春「?!、そういえばそうだったな」

 ・剣「つまり殺すことも踏まえて試験をみていることになる」

 ・龍希「簡単に言ったら試験官の二人はこれも試験として見ているということだよね」

 ・剣「ああ、そういうことだ」

 ・春「じゃ、じゃあどうすんだよ!」

 ・剣「………」

 ・春「相棒!」

 ・龍希「剣……」

 ・剣「一つだけ、一つだけ方法がある!」

 ・龍希「ほんとかい!剣」

 ・春「流石相棒!」

 ・剣「まだなにもいってないが……まぁいい」

「とにかく今から俺の作戦を話す!」

 ・龍希「うん!」

 ・春「おう!」

 そして剣は二人に小声で作戦を話す

 ・龍希「なるほど…確かにそれなら」

 ・春「いけるいける、やろうぜその作戦で!」

 ・剣「よし、ならこの作戦で行くぞ!春!龍希!」

 ・龍希「おう!」

 ・春「任せろ!」    

 そう言い三人は再び武器を構え直してそれぞれの位置につく

 ・牙爪「ハナシハスンダヨウダナ、ナラソロソロ……イクゾ」

 ・剣「ああ、こいよ!」


~次回 <見極める者>~

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