相棒
・???「手を貸すぜ相棒」
ブーメランのように投げた木槍をキャッチしそういった
・剣 「どういうつもりだ」
・???「ん?何が?」
・剣 「なぜ助けた」
・???「助けたかったから」
・剣 「はあ?」
・???「へ?」
・剣 (何なんだこいつは、それに……)
「なぜ俺を相棒と呼ぶ、おまえとは初対面のはずだが」
・???「今俺が決めた!」と得意げな顔をする
・剣 「ますます意味が分からん」
はぁ~と剣はため息をつき……
・剣 「なにが目的だ」
・???「目的?そんなもんねーよ」
・剣 「…変わってるなおまえ、まぁーいい」
「手を貸してくれるんだろ?」
・???「ん?ああもちろん!」
・剣 「なら手を貸せ、えーと名前は…」
・???「ああ、俺の名前は『凛道 春』だ」
「春でいいぜ!」
・剣 「分かった春、俺は『赤木 剣』だ」
「呼び方は好きにしていい、相棒以外」
・春 「おう!よろしくな相棒」
・剣 「……はぁ~好きにしろ」
・春 「それでどうするんだ?ここから」
・剣 「ああ、それについては……」と言おうした瞬間
・牙爪「そろそろいいかな?」
と牙爪がそう言いながら動き出した
・剣 「五分だ」
・春 「え?」
・剣 「五分間やつを引き付けてくれ」
・春 「マジ?」
・剣 「マジ」
・春 「無理無理無理無理、あれを五分は無理だろ」
・剣 「手を貸してくれるんだろ?」
・春 「なっ!」
・剣 「それに俺を相棒と名乗るならこれくらいはやってもらわないとな」
・春 「……わかったよ、やるよ、やってやるよ」
・剣 「ふっ、そうこなくっちゃ」
そう言い、剣と春は構え始める。
・春 「…一つだけ聞かせてくれ」
・剣 「なんだ?」
・春 「俺が五分耐えたら相棒はやつに勝てるのか?」
・剣 「ああ、勝つと約束する」
・春 「なら相棒を信じてやつを食い止めるぜ!」
・剣 「じゃあ、頼むぜ春」
・春 「おう、まかせときな!」
そうして、春は木槍を構えながら牙爪に近づいていく。
・牙爪「あれ?選手交代?次は槍持ちの君が相手をしてくれるのかな?」
・春 「ああ、相手になるぜ五分だけだがな」
・牙爪「いいね~でも俺の猛攻に五分耐えられるかな!!」
そう言った瞬間、牙爪が春との距離をいっきにつめる。
・春 (はやっ!!)
春は牙爪の拳による攻撃をなんとか木槍で防ぐ。
・牙爪「へ~やるね!ならこれはどうかな!」
そう言い、牙爪は防がれていないほうの拳で地面を殴り地表を砕いた。
地面に流れる衝撃波と地面が崩れた影響で春は体勢を崩す。
・春 「おいおいおいおい、マジかよ!」
春が体勢を崩した瞬間、牙爪の拳が襲い掛かる。
・春 「やべっ!!」
瞬時に気づいた春は自身の木槍の穂の部分を地面に刺し、柄の部分を手で持ち、木槍を軸に逆向きに立ち間一髪で牙爪の攻撃を避け、後ろに下がる。
・春 「ふぅー危ない危ない」
・牙爪「すごい器用だね君」
・春 (やべーな、こいつまだまだ余裕がある)
(五分、耐えたられるのか俺に)
「……ふぅーー」
(弱気になるな俺、相棒に任されたんだ)
春がそう考えてる間に牙爪は攻撃の準備を始める。
・牙爪「よーし、それじゃあ次いこうか!!」
・春 (やるしかねーよな)
「上等だ、耐えてやるぜ五分!!!」
一方そのころ剣は…
さきほど牙爪に投げた木剣を拾いにいっていた。
・剣 「さてと…」
剣は視界を今戦っている春の方に向ける
・剣 (春のやつやるな、今のところ紙一重でなんとか戦いあえている)
(これなら心置きなく集中できる)
「………………」
剣は木剣を持って構える。
・剣 「……」
そして構えたまま視界を牙爪の方に向ける。
一撃で牙爪を倒せる位置を探るまでにかかった時間はおよそ一分。
その間すべての意識を目に向けるため一時的に酸欠状態になる。
・剣 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
酸欠状態回復までにかかった時間はおよそ三十秒
そこから目に意識を向けながら、足に力をため始めること二分。
あまりの集中力の末に目から血が流れ始める。
そして二回目の酸欠状態回復までの時間およそ一分。
残り三十秒で再度自身の構えを調整。
大きく息を吸って春に向かって合図の言葉を叫ぶ。
~次回 <合図>~