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42「記者の取材活動」

「しかしなあ――。人が消えてるなんて、恐ろしい話じゃないのか?」

「魔人の仕業だってさ。今更だけど、やっぱり街中に侵入してるんじゃないのかね」

「ホントかい? 許せねえな……」

 人が消えている? 行方不明ってことか。こんな時に街中でも。怪しいね。

 夜逃げとかかな?

「絶対この辺で、そんな事件を起こさせちゃあいけねえ。気合入れて見張るぞ!」

「「「オウっ!」」」

 皆、殺気立っているなあ。日々の生活がギリギリでこの騒ぎだし、ストレスも溜まっているのだろう。


「ちょっとその話。詳しく聞かせてもらえますか?」

 おっ、知ってる顔の登場だ。

「あんた誰だい?」

「私はこういう者です」

 その女子は名刺を差し出した。

「王都ウイークリー、スミット・タチアナ。あんた新聞記者か?」

「駆け出しですけどね」

 そう言ってニコッリ笑うと、貧民住人たちの警戒心も緩む。殺気立っていた荒くれたちが表情を崩した。

「おっと。取材かよ――」

「まいったなあ……」

 まんざらでもない顔だ。単純だね。

「森のクマさんの記事、読んでるぜ」

 ちっ、ごり押し案件の登場だよ。はやく勇者仮面特集を組んでくれないかなあ。

「実はなあ……」

「街でおかしな噂を聞いたんだよ」

「それはどのような!?」

 女子記者タチアナは、スクープの匂いを嗅ぎつけた。僕も興味がある。上手く首を突っ込んで、目立てるかもしれない。

 貧民住人たちの話を総合すると、特に戦いも発生していない場所で何人かが消えてしまっているらしい。

 それは森に入った、街を警備していた冒険者や兵士のあいだでも発生していた。

 ステルス魔獣だ! あれぐらいの大きさなら、僕にも分かるはずなのに。

『もっと小物がやったのかもしれないである』

 くそっ! 作戦を変えたのか。

「早速取材してみましょう。ところで最近、森のクマさんは来ていますか?」

 タチアナは話題を変えた。腰を低くして、子供たちに語りかける。

「あのね、怖い魔獣が出ると、やって来るんだよ」

「夜はここを守ってくれるんだ」

「クマさんはすごいんだ」

 相変わらず人気なんじゃないの……。フンっ! 僕は下唇を突き出す。

「勇者仮面も、これから活躍するって言ってたわ。そちらにも注目してるね」

「えー」

「ぶー」

 このガキゃー……。やっぱテコ入れが必要だな。

「別に悪い奴じゃない、ってのは分かってんだけどね-」

「この辺には、勇者仮面は来ないからなあ」

「そうそう。名前を聞いても、子供たちはピンとこないんだよ」

 知名度の問題か。ならここに通ってやろうじゃないの。君たち、僕のかっこよさに震えるぞ。

「俺たちはけっこう好きだぜ。勇者仮面」

「ああ。大人向きだよな」

 いや。おっさんたちの人気は不要です。

 それにしても、人間を襲って行方不明にする。敵は何が目的なんだ?

 この問題も勇者仮面様が解決して差し上げますか。


「冒険者ギルドにも報告を上げておくよ」

「ええ。騎士団にも伝えるわ」

 フェリクス叔父さんとスミッツ学生騎士からそれぞれの組織にも伝わる。そして王都ウイークリーが記事にすれば、王都全体が警戒するだろう。

 敵はその時にどう動くか。そしてこの件は見事僕が解決。完璧な作戦だ。


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