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91)挨拶回り

 PV15000ありがとうございます!

 これからも宜しくお願いします!

 北の門に到着、守衛室を訪ねる。


「すみません!」


 何も言われない内に、証明書とコインを取り出して見せる。


「あんた達が警備隊? 男一人に女が三人か。ま、宜しく頼むよ」

「はい、こちらこそ。では他の門に行きますので……」


 こんな感じで残りの門にも行く事になる。

 挨拶は今回だけで、顔を覚えて貰う事が今日のお仕事って感じだ。


「蓮斗様! 挨拶の時、あたいは出なくても良い?」

「いや、顔合わせだから出て欲しいなぁ」

「あーい……」


 これは……影から出るのが面倒なだけか。


「後でお菓子買うから、機嫌直してね?」

「本当!? あーい!」

「ウチも食べたーい!」

「貴女達、蓮斗さんに甘え過ぎですわ!」

「ウチ、甘い物も食べたい!」

「あたいもー!」


 レティシアは呆れて何も言わない。


「レティシアも食べる?」

「いえ、(わたくし)は結構ですわ」

「レーちゃん、ダイエット中?」

「まぁ……そんなとこですわ」

「へぇ、スタイル良いのに」


 あ……。


「毎度毎度、馬鹿じゃのう……」

「蓮斗さんが……スタイル良いって……えへ……えへへ……」

「レーちゃんが壊れたー!」


 壊れたレティシアは、復帰するまで放置するしかないな。

 レティシアを尻目に西の門へと向かう。


「西門と南門は気を付けないとね。門まで攻め入る状況では無いと思うけど」

「そうじゃな、儂も気にしておくのじゃ」

「頼むよ」

「我輩も索敵範囲を拡大するぞ」

「ラーズも宜しくね」

「ウチは……」

「なに?」

「お菓子食べたい……」

「じゃあ、西門の挨拶が終わったら休憩で……」


 リアーナとヴァージュは大はしゃぎ。


「さ、着いたぞ」


 戦場が近い為か、守衛室の周りには沢山の兵士……二、三十人ほど控えている。この中を歩いて行くのは無理っぽいので、一番近い兵士に確認かな。


「すみません、巡回警備の者ですが……」

「あ、噂の……」


 俺達、噂の人だったのか?

 その兵士は後ろを振り向くなり、大声で叫びだした。


「警備がきたぞー! 道を開けてー!」


 その場にいた兵士達が一斉に俺達を見る。

 少しばかり恥ずかしいな。

 兵士達は移動して守衛室までの道を拓き、その兵士達の間を通って守衛室に向かう。


「あれが警備隊か?」

「女ばっかりだな」

「あの男が羨ましいぜ!」

「転移者が二人もいるってよ!」


 色々と喋ってるな……皆さん、聞こえてますよ?

 守衛室の前に到達すると、ヴァージュが影から現れる。


「おぉー!」

「女が増えたぞ!」

「けしからんな」

「羨ましいー」


 だから、聞こえてるって。


「すみません! 巡回警備です!」

「おー! 入ってくれ」


 言われた通り部屋の中に入る。


「あれ? まさか……れ、連ちゃん?」


 懐かしい……元の世界の俺のあだ名だ……え?


「ま、まさか……って誰?」

「あー分からないよねー」


 ここのリーダーだろうか? 如何にも屈強な戦士って感じだ。俺を知っている様だけど俺は見た事も無い人だ。


「俺だよ! 凪沙(なぎさ)!」


 え……凪沙? 高校の同級生だ。


「俺の知ってる凪沙は女の子で、自分の事を俺って言わないけど?」

「しゃーないし! こんな厳つい体で、あたし、なんて言えないし」


 どうなってるんだ? 


「連ちゃん、俺……あたし転生したんだよ」

「なっ……いや……先ず、この世界での話し方にしてくれ。その格好で以前の話し方だと、完全におねぇだよ?」

「あはははっ! 確かにね……確かにな!」

「昔話の前に仲間を紹介するよ」


 一通り自己紹介をして話を戻す。


「で、なんでまた……」

「いやぁ……部活の最中にかくれんぼしててさ、あのグラウンドって祠が有るじゃん?」


 え……まさか。


「あそこに隠れたら祠に頭打っちゃってさー」

「お前もかよ……」

「え……連ちゃんも?」

「俺は先生から逃げてて……」


 あの祠、転生や転移をさせるのか?


「にしても、凪沙は随分年上に見えるけど?」

「だって、この世界に三十年は居るからね」

「なんだって!? 俺は数ヶ月だぞ!?」

「だから連ちゃんは昔のままなのか……」


 どう言う事だ? 俺は転移したからそのままで、凪沙はこの世界の三十年前に転生したって事?


「この世界で赤ちゃんからスタートって事?」

「そうそう。赤ちゃんの時から話せたから、神童とかって言われたよ!」


 意外と楽しんで人生を歩んでいるのか。


「転生者って事は強いの?」

「まー……普通よりはね」

「ちょっと見て良い?」

「あ、ステータス? 良いよ」


〔名前:ヴォルデン 種族:人〕

〔レベル:32〕

〔騎士団レベル:10〕

〔H P:2258〕

〔その他:閲覧権限がありません〕


「ヴォルデンって言うんだ……HP高いな」

「まーね! 体力強化ってスキルを持ってるんだよ!」

「なるほどね……こっちの生活は楽しい?」

「野暮な事を聞くね……勿論、楽しいよ。あたし……俺、結婚もしたんだ!」

「えぇ!? て、驚く事じゃないか……ん? 男じゃないよね?」

「あはははっ! ちゃんと女の子とだよ! このまま元の世界に戻ったら、百合一直線かもね!」


 驚く事を平気で言うなぁ。


「俺、元の世界に戻る方法を探しているんだ」

「そうなの? こっちの生活は嫌なの?」

「そう言う訳では無いけど……」

「ま、人それぞれだし深くは聞かないよ。あたし……俺は昔の友達に会えて満足だよ!」

「俺もだよ!」

「連ちゃんと話してると昔の話し方に戻りそうになるから、おねぇ呼ばわりされそうだけど」

「確かに。気を付けないとな」

「また時間が有ったら会いに来てくれよ! 妻も紹介したいしさ!」

「分かったよ! 凪沙……ヴォルデンも守衛の仕事頑張ってな!」

「おう!」


 懐かしい時間を共有し終え、次の門へと向かう事にした。




 性別が変わるのは大変だな……。

 この物語を読んで頂き、ありがとございます。

 評価、感想、ブックマーク等を頂けると、とても嬉しいです! 是非、宜しくお願い致します!

(既に頂いている方は、有り難う御座います! 感謝です!)

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