表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/122

36)チート能力

 ガバードがニヤニヤと笑いながら、ゆっくりと近付いてくる。

 もう駄目なのか……。


「焦ったが、ここまでだな! さぁ、俺の経験値になるがいい!」

「くそっ……ここまでか!」


 次の瞬間、ガバードは血を吐き、前のめりに倒れた。


「誰……だ……きさ……ま……」


 そこには、両手に短剣を持った女の子が立っていた。


「やっほー! 蓮斗様!」

「ヴァージュ!」


 本気で忘れてたわ……。


「強かったね! クーちゃんも凄い召喚魔法だったねー!」

「まったく……この小娘は……」

「ここぞって場面で出た方が良いかなーっと思って!」


 兎に角、超助かったよ……。

 今回だけは、呪われて良かったと思うわ。


「れ、蓮斗さん……」

「レティシア、大丈夫か! これを飲んで!」


 レティシアにヒーリングポーションを渡す。


「……少し、楽になりましたわ」

「良かった……」

「レーちゃん、大丈夫?」

「えぇ……まさか貴女に助けて貰うとは……」


 夜も遅かったので、教会を出て近くの場所でテント設営、即、就寝となった。

 流石にあの教会で寝るのは嫌だと言う事で。


 翌朝、村に戻って村長を訪ねた。

 偶然、教会の魔物と遭遇して倒した、って事で報告。

 村長は土下座をしながら、感謝と謝罪をしてきた。俺も同じ立場だったら、あの時の村長の言動も分かる。

 せめて昼食だけでもって事で、昼食を食べてから出発となった。

 それまでは暇なので、各自、自由行動だ。


「私は少し休憩しておりますわ」

「あたいは……影に居るね!」


 結局、何もしないんだ……。

 俺は、ログインボーナスとか確認だ。


〔日課特典:時を刻む物〕

〔時を刻む物を獲得しました〕


 これって……。


〔鑑定に成功しました〕

〔魔刻の腕輪を獲得しました〕


 んー……どう見ても時計だな。

 今は十一時か……便利だな、普通に。

 ガバードからは、ドロップアイテムは無かった。所謂、ドラゴンブレスで吹き飛んでしまったのだろうか?

 んじゃ、レベル確認……。


〔レベル:48〕

〔ギルドレベル:8〕

〔能力値:一部閲覧権限がありません〕

〔H P:1892〕

〔M P: 136〕

〔攻撃力:423〕

〔防御力:358(+10)〕

〔魔 法:なし〕

〔法 力:なし〕

〔スキル:知識剣との絆〕

〔スキル:罪悪感緩和〕

〔スキル:パリイ=LV8〕

〔スキル:看破術=LV2〕

〔スキル:鑑定術=LV1〕

〔スキル:縮地術=LV8〕

〔スキル:転生者の記憶〕

〔スキル:経験値上昇〕

〔熟練度:剣技=LV10〕


 …………。


「はぁ!?」

「どうしたんじゃ!」

「どうされたのですか?」

「どーしたのー?」


 皆さん、ごめんなさい。

 声に出てしまいました。


「いや、レベルが……48に……」

「何じゃと!」

「流石、蓮斗さん! 凄いですわ!」

「蓮斗様、凄いね!」


 ちょっと、上がり過ぎじゃない?

 それに何だ……この転生者の記憶って。経験値上昇は、そのままかな? スキルを鑑定だ。


〔鑑定に成功しました〕

〔転生者の記憶:転生者を倒すと、その者のスキルをランダムで得られる〕

〔経験値上昇:取得経験値が十倍となり、既存の経験値も十倍になる〕


 キター!! これって、チート能力を奪取したって事? これが俺のチート能力か!

 能力取得の方法は辛いけど、かなり強力な能力だ! 神様、ありがとう!


「何か、嬉しそうじゃの?」

「そうかなぁ? えへへ……」


 自分でも、顔が緩んでいるのが分かるわ。


「何じゃと!!」


 珍しい……クリスが突然叫ぶなんて。


「どうしたの?」

「回帰術がレベル5じゃ!」


 何だって! 天使クリスちゃんと一日五時間も逢えるって事か!?


「おめでと、クリス!」

「うむ! 朝食と昼食に一時間、夕食からの酒盛りに三時間も使えるのじゃ!」

「よ、良かったね、クリス!」


 変身の基準は、ご飯とお酒ですか……?


「何じゃ……蓮斗は儂に会いたくないのかの?」

「逢いたいに決まってるよ! 毎日ベタベタしたいよっ!」

「え? あ……ん、まぁ……それなら良いのじゃ……」

「あたいもー!」


 ヴァージュ、話がややこしくなるから参加しないでくれ……。レティシアが寝てて助かった。


 昼食を済ませ、村長とのお礼の言い合いが終わり、調査地へ向かって出発する。


「あと山を二つ越える位かな?」

「そうですわね……」

「レティシア、体調は大丈夫?」

「お気遣い、有り難う御座います。身体は万全では有りませんが、夜伽くらいなら……」

「出たな、この発情小娘め!」

「夜伽ってなーにー?」

「この場合の夜伽とはの……」


 ヴァージュは興味津々だ。

 クリスさん、説明しなくて良いですよ?


「へー! レーちゃんって、意外とエッチなんだねー」

「そうなのじゃよ」

「な……何を説明してますの!」


 何か、これはこれで……平和で良いな。昨晩、死にかけたのが嘘みたいだ。


「そういやクリス、HPは回復したの?」

「儂が剣の状態じゃと……自動回復が働いておるのじゃ」

「そうなの!?」

「うむ……じゃから満タンじゃ!」


 良いなぁ……欲しいなぁ……。


「あー!」


 突然、ヴァージュが叫ぶ……影から声だけ聞こえてるから焦るわー。


「失敗した!」

「何がですの?」

「折角、教会に居たのに……」


 え? どう言う事?


「蓮斗様と結婚を誓えば良かった!」

「な、なんですって!?」


 何故、そうなった?


「レーちゃんも、クーちゃんも一緒に誓えば良かったねー!」


 はぁ!? 何を言っちゃってるの、この子?


「それも……有りですわね……」

「レティシアまで何を……」

「あたい、正妻ー!」

「それは譲れませんわ!」


 ん? ちょ、ちょっと待った!?


「まさか、この世界って結婚は同時に出来るの?」

「えぇ。一夫多妻制、重婚可能ですわ。蓮斗さんの以前の世界は……?」

「一夫一妻だね……」

「そうなんだ! 蓮斗様、この世界に居た方が良いんじゃない? 駄目でも付いて行くけどね!」

「わ、私が付いて行きますわ!」


 色々と考えちゃうな……。


「お主ら、蓮斗が帰る方法も分からぬ状況で、良くそこまで話せるのう?」


 その通りだ。クリスちゃん大正解。

 でも、重婚かぁ……ハーレム的な? えへへ。


「蓮斗、顔!」

「あ、ごめん……」


 斯くして、チートっぽい能力を手に入れた俺は、仲間と共に調査地を目指す。




 この世界は重婚出来るんだ……。

 この物語を読んで頂き、ありがとございます。

 評価、感想、ブックマーク等を頂けると、作者のモチベーションが上がります!

 是非、宜しくお願い致します!

(既に頂いている方は、有り難う御座います! 感謝です!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ