19)野営と毛布
さて、先ずは夕食だな。
レティシアは、バッグからパンとワインを取り出した。
「ん? レティシアって幾つなの?」
「女性に年齢を聞くなんて……」
「あぁごめん、無理に答えなくて良いよ。ちょっと気になっただけだから」
「え……私の事を気に掛けて……」
何か勘違いしてないよね?
「十六よ」
「え、あ、ありがと。俺の一つ下か」
「そうなんですの? 年下の女性とか如何ですの?」
え、何? ワインを出したから年齢が気になっただけ、なんだけど……
「儂も呑む!」
天使クリスちゃん見参だ。
「え! 何処から!?」
「この子、クリスです」
「え、インテリジェンスソード?」
「如何にも」
クリスは俺とレティシアの間を強引に割って入り、俺達を引き離す様に座った。
何なんだ一体……。
「蓮斗、儂のパンとワインを寄越すのじゃ」
「あらクリスさん、何故、私と彼のお話し中に割って入ったのかしら?」
「そうじゃったのか。それは気付かなかったのう……すまぬな」
いや、絶対聞いてたでしょ?
「くぅ……なんでわざわざ間に入ってくるのよ!」
「儂は蓮斗の相棒じゃ。蓮斗の隣に居て何が悪いのじゃ?」
ヤバい、何か喧嘩っぽくなってきた……。
そして、そんな調子で一時間経ってしまった。
「む、時間切れか……」
クリスは剣に戻ってしまった。
「では蓮斗さん、寝ましょうか」
ん? さん付け? 呼び捨てじゃなかった?
ま、いっか。
「じゃあ、俺が見張りをするよ」
「流石は蓮斗さん! でも大丈夫ですわ」
そう言うと、レティシアはバッグからランタンの様な物を取り出した。中には光る石の様な物が入っていた。
「これは?」
「こちらは結界アイテムですわ」
「結界……」
「周囲十メートルに侵入者がいると、中の者を気付かせるだけでなく、音と光で侵入者に目眩ましをする優れものですわ」
そいつは便利なアイテム!
「ですので、一緒に寝れますわ」
「凄いね」
じゃあ、安心して寝れるな!
俺はその辺に寝転がった。
「蓮斗さん、毛布をお持ちでは?」
「持って無いよ?」
「それでは風邪を引いてしまいますわ」
レティシアは毛布を持って、俺の方へ近付いてくる。
「一緒に毛布で寝ましょう」
「え……えぇ!?」
「何じゃと!!」
うぉ……クリスから禍々しいオーラが……。
「いやいやいや、俺は風邪に強いし、一人で寝るから大丈夫! レティシアこそ風邪を引きでもしたら、俺も困るから一人で毛布を使った方が良いよ!」
我ながら凄い早口だ。
「蓮斗さんが困る……分かったわ、一人で寝かせて頂くわ。でも寒い様でしたら、いつでも来てくださいね」
「う、うん、分かったよ。ありがと、おやすみ」
「おやすみなさい」
つ、疲れた…………。
夜が明ける。幸いにも獣や魔族とかの襲来は無かった。
目を覚ますと、レティシアが準備をしていた。
「おはようございます、蓮斗さん!」
「二人共、おはよう……」
「おはようじゃ」
昨日は大変な目にあったな……。
パンを食べ、少し休憩してから出発した。食べた後にすぐ動くと、横っ腹が痛くならない?
暫く歩くと山頂が望める場所に出た。
「あれ! ザヴァキランですわ!」
レティシアが指差す方向には、ドラゴンが山頂の上を旋回していた。
「あれで小型?」
「そうじゃな」
大丈夫かアレ……ここから見ても大きいぞ。
「急ぎましょう!」
走るレティシアを追いかける。
「はぁ、はぁ……疲れるな」
「蓮斗さん、大丈夫ですか? 少し休憩しましょう」
「うん……」
流石、レベル15は伊達じゃない。全く息を切らしてない。
「ごめん、不甲斐なくて」
「いえ、今はレベル差が有るので仕方がないですわ。それに転移者なら、これからの伸び代が私の比では無いですもの」
レティシアが気遣ってくれる。情けない。
「さ、あと一息ですわ!」
「おう!」
俺達は再び山を駆け上がり、ザヴァキランの元まで辿り着いた。
体力回復の為、少し休憩をしてから攻撃を仕掛ける事になった。
ここから、看破を使ってみるか。
〔看破に成功しました〕
〔名前:ザヴァキラン 種族:竜〕
〔称号:チマー山脈の主〕
〔レベル:11〕
〔H P:17884〕
〔その他:閲覧権限がありません〕
レベルが低いのに、HPががが……。
取り敢えず、この情報を二人に伝えて作戦を練る事になった。
体力も回復し、作戦も何とか立てる事が出来た。恐らく、これで行ける筈……多分。
「よし、それで行こう!」
「クリス任せってのが気に入りませんが、そんなにHPが高いのでしたら仕方がありませんわ」
「儂が一番強いからの」
あからさまに不機嫌な顔をするレティシア。
うわ……レティシア怒ってるな……。
兎に角、ザヴァキラン戦だ!
野営には毛布が必需品!
面白いと思ってくれた貴方!
是非、ブックマークと星の評価を
お願いします!!




