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106)王の思惑

 お越し頂き有り難う御座います!

 是非、読んで下さい!

 謁見の間へ行くと王の姿は無かった、と言うより一人しか居ない。

 こんな広間に一人って異様な雰囲気だな。


「お一人ですか?」

「転移者殿、こちらです」


 側近らしき人物に別の部屋まで誘導される。


「こちらの部屋になります」


 入口には扉が無く、暖簾の様な……いやカーテンの様な幕が掛かっているだけだった。


「失礼しまーす……」


 おっと、タメ口で行かないと嘗められるな。


「来たか、入ってくれ」


 部屋の中に入ると、ソファーの様な所で(くつろ)いでいる王が目に入る。

 両脇には美人な侍女が……羨ましい。


「掛けたまえ」

「あぁ……」

 

 四人で対面のソファーに座ると、侍女達が飲み物を運んでくれる……また美女だ、相当な面食い王だな。


「それでヤーイ王、助力って何を?」

「ふむ、主に調査だが場合に依っては……」

「戦えと?」


 王はゆっくりと頷く……やっぱりそうなるか。


「我等は転移者について調査する」

「俺達が魔術結社で国は転移者を調査?」


 何でだろ? 逆の方が良い様な……。


「我等の偵察隊では、どちらが来ても歯が立たないだろう。ならば、少しでも転移者が生き残れる可能性を考えると」

「少しでも死ぬ確率の低い魔術結社を儂らにすると言う事じゃろうか?」


 突然のクリスの声に、ヤーイ王は驚きながらも頷く。


「でも、転移者の方が俺達よりも弱い場合も有るんじゃ?」

「それは銃の転移者を基準としているからだ」


 銃の転移者か、確かにアレ級だと魔術結社の方が可愛く見える。


「全ての可能性に対応する方法は無い。どちらにせよ危険で有る事には変わらない」

「確かにそうだな」

「転移者達を調べて行けば、魔術結社との関わりを持つ者にも当たる筈だ。我々が先に情報を得た場合は直ぐに連絡させる」


 国益ばっかり考えてるのかと思ったけど、意外と俺達の事も考えてるんだな。


「そなた達が死ぬと我等としても困るのでな」

「ん? 何故?」

「転移者を失った我が国に、他国が転移者と攻めて来たら困ると言う事だ! わっはっはっ!」

「あ、そう……」


 前言撤回……食えない奴だな。


「で、具体的にどうすれば?」

「先ずはムタイ帝国に向かってくれ」

「は? 戦争してた相手の国じゃ?」

「そうだ。ムタイ帝国内には魔術結社の拠点が何点か有るらしい。まったく、そんな状態でよくも我が国に攻め──」

「話が脱線してるよ」

「ん? あぁすまん。ムタイ帝国内の調査を頼みたい。無論、帝国と話はついている」

「それって調査と言うより殲滅しろって事?」

「ま、そう解釈しても構わんが? わっはっはっ!」


 本当に癖の有る王だな。


「帝国側に転移者は居るのか?」

「居ると言う報告は受けていない」


 何か歯切れが悪いな。ハッキリ居ないって言えない事情でも有るのか?


「居るとは聞いてないが……もし居たら嘘になるであろう?」


 何も言ってないのに。俺って顔に出るのかな? 心を読まれた気分になるわ。


「で、いつから行けと?」

「明日の朝、迎えの馬車を寄越そう」

「明日!?」

「問題が有ったか?」

「無いけど急だな」

「日々魔術結社は強力になる。早ければ早いに越した事は無い」


 確かにそうだけど、この王の言う事って裏が有りそうだしなぁ。


「馬車はずっと貸してくれるのか?」

「うむ、御者付きだ」


 運転手付きか。あ、そういや……。


「じゃあ、俺達の馬車を城で預かってくれないか?」

「ふむ、構わんぞ。おい! 手配を!」

「はっ! 蓮斗殿……」


 軽く打ち合わせし、馬も車体も取りに行って貰う事になった。


「他に何か無いか? 協力は惜しまないぞ?」


 他にっていきなり言われてもなぁ……あ!


「巡回警備のお金貰って無い……」

「大丈夫だ。今回の支度金と合わせて用意している。おい! 例の物を!」

「はっ! 蓮斗殿、こちらになります」


 うっ……結構軽い……。


「後、最後に質問だ」

「なんだ?」

「俺達を嵌めようとか殺そうとか思って無いよな?」


 スキル! 真実の眼!


「契約を交わしている。そんな事は無いぞ?」


〔虚言は確認されませんでした〕


「分かった。じゃ、明日また来るよ」

「うむ、また明日な」


 部屋を後にして城内噴水広場に移動。


「蓮斗さん、あんなに簡単に信じて良かったのでしょうか?」

「あれね、嘘が分かるスキルを使ったんだ」

「そ、そんなスキルが……わ、わ、(わたくし)蓮斗さんをお慕い──」

「あ、一日一回だから!」

「そ、そんな……愛を確かめて頂こうと思いましたのに……」


 そんなに肩を落とす事なのか?


「何の話をしてるのじゃ……」

「でもレティシアちゃんって凄いね、思った事をハッキリ言えるなんて。ウチは無理だなぁ」

「発情小娘にも良い所が有ったのじゃな」

「なんですって! どういう意味ですの!?」

「そのままの意味じゃ」

「きぃー!」


 久々にクリスとレティシアのやり取りを見た気がするな。


「さ、街の魔具店に行こうか」


 お助けアイテムを求め、魔具店へと向かう事にした。




 良い物有るかな?


 この物語を読んで頂き、ありがとうございます。

 評価、感想、ブックマーク等を頂けると、とても嬉しいです! 是非、宜しくお願い致します!

(既に頂いている方は、有り難う御座います! 感謝です!)

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