第97話 パーティー会議
夜、エミリアの部屋では会議が始まっていた。
「それでは今後の私達Eランクパーティー『ツクヨミ』の会議を始めます」
「エミリア、会議って何を話すのよ!」
「はい、フィオナ!あなたは特に…よ!」
「意味わかんないだけど…」
「今、ツクヨミの周りには多数の女が寄ってきている」
「「うんうん」」
「だから私たちのキャラが薄くなってきている」
「「えっ」」
「わかんないかな〜!フィオナ、あなたが今1番危ないって言ってんの!!」
「最初の頃はツンデレだの歌姫だの色々あったのに今は何?ミアにも負けてるじゃない!」
「…………………………じゃあメリナは?」
「メリナは平気よ。まだ腹黒キャラはメリナしかいないから」
メリナの笑顔が少し怖くなっている。
「じゃあエミリア、あなたは?」
「私も今の所は平気ね。自分で言うのもなんだけど、リーダー(仕切り)キャラは私だけだからね」
フィオナが黙り込む。
「あなたはもっと問題よ!サクヤ」
「えっ、私ですか?」
「そうよ!サクヤ、あなたは強くても美人で優しい。この三拍子が揃っているのに影が薄いってどういうことよ!」
「そんなに影が薄いですか?」
「普通はヒロインキャラよ!ヒ・ロ・イ・ン!!もっと頑張らないとパーティーとしても全体のキャラが薄くなるの!わ・か・る・?」
サクヤも黙り込む。
「とりあえずあの竜人のシャルロットにエルフのクロエ、そしてあのジャンヌとソフィー、学園ではステラ先輩も要注意よ!わかった!!」
「まぁ、エミリアもそんなに興奮しなくてもいいじゃないですか」
「メリナはどうすればいいと思う?」
「フィオナは………………?、昔みたいにツンデレ高飛車キャラに戻ればどうでしょうか」
「私ツンデレでも高飛車でもないわよ」
「そうでしたかしら?じゃあもっと歌姫アピールは?」
「…………………………サ、サクヤはどうなの?」
「お兄ちゃん好き好きキャラとか」
「何を言ってるのですか!」
「私聞きましたよ」
「何をですか」
「シャルロットさんが言ってました。サクちゃんはお兄ちゃんが凄い大好きだったと」
「…………………………昔の話です」
サクヤは顔を赤くしながら小声で反論する。
「もういいじゃない、エミリア」
「そうですね。エミリア、話してもすぐに変わる訳ではないですからね。それに私は腹黒くありませんよ」
「とりあえず、今後はシャルとステラ先輩は要注意よ。わかったわね!」
無駄な会議が終わった。
◆ ◆ ◆
その頃ツクヨミは外に出かけていた。
勧誘と言う名のデートをステラとしていた。
「ツッキー、ここで食事でもしながら話しましょうか」
少し高級そうなレストランに入り、そして食事を終えると生徒会選挙について話した。
「ツッキーはどうしても生徒会はダメ〜」
「はい、仕事をしないといけないので」
「何でそんなに働くのかな?」
「…………色々です。」
「お姉さんに話してみなさい」
「そ、それより代わりはいないのですか」
「エヴァちゃんが会長は少し不安があるかな?この間の活躍からすると1年生のツッキーでもみんなが納得すると思うんだけど…(チラッ)」
「ヘンリーはどうですか?」
「いいと思うわ、もし2年生だったらね。あと少し実績があればいいんだけど…」
「そうですか…」
「今回は2年生の中に有能な人が少ないのが問題なのか、1年生が優秀すぎるのが問題なのかって所よ」
「………わかりました。サクヤとメリナを説得してみます。エヴァにサクヤとメリナ、それにヘンリーが入ればいいんじゃないでしょうか」
「そうねぇ〜、あと1人は欲しいわ。そうね〜実技の成績だけなら2年生のマルタンとマノンって所かしら。さすがに2年生1人だけだとエヴァちゃんが可哀そうだからね」
「では2人とも生徒会に入れて5人でなく、6人にしてみてはどうですか」
「それもありかな。その6人でいいか、選挙でもしてみようかしら」
「それもいいと思います。サクヤ、メリナ、ヘンリーには俺から伝えますよ」
「ありがとう。それじゃあデートを楽しみましょ」
この後ステラにお酒を飲まされ酔って帰ったら、シャルロットに見つかり、ツクヨミは酔いながらも全員に説教された。




