第95話 祝賀パーティー
祝賀パーティーでは全ての学園の選手(ジャンヌ以外)が集まり、立食パーティーが始まる。
そしてツクヨミの周りには他の学校の女子がサインを求め、サクヤとシャルロットの周りには他の学校の男子が群がった。
しばらく楽しんだ後、ツクヨミがシャルロットの所に行く。
「シャル」
「フン」
「何でそんなに怒っているんだ?」
「まだ分からないのですか?許嫁をほっといて浮気ばかりして、怒らない女がいるとお思いですか!」
「「「なっにぃ〜〜〜」」」
「おいおい、それはミネルヴァさんが勝手に決めた事で」
「3年間ほっといた挙句に何人女を作っているんですか!」
「だからそれは」
今まで我慢していたのかシャルロットは泣き出した。
「シャ、シャル?とりあえずこっちに行こう」
そしてベランダに出た。
周りは二人に注目していたが、気を利かせたサクヤとヘンリー、そしてヴィクトーとビアンカで何とか近づけない様にした。
「なぁシャル、別にお前の事が嫌いって訳じゃ無いんだよ。ただ親が決めた事を素直に守るよりも自分の気持ちが大事だって言っているんだよ」
「ツクヨミ様は私の気持ちなら受け取って頂けるんですか?」
「もちろんだよ。ただ俺達はまだ若いから今焦って決める必要は無いと思うんだ」
「わかりました」
「わかってくれたか!」
「はい!私はツクヨミ様と暮らします」
「えっ?」
「サクヤさんに言ってきますね」
「ちょ、ちょっと〜」
シャルロットはサクヤの所に行った後、ヴィクトーとビアンカに説明してアレスの所に行った。
事の成り行きを説明すると
「わかった!ミネルヴァには俺から伝えておく。あとキルシュブリューテ学園の校長には俺から何とか転校出来る様に頼んでおく」
「ありがとう!」
この後ツクヨミがメリナ、フィオナ、エミリアの3人から説教される。
やがてダンスパーティーが始まり、最後にフィオナの歌が披露された。
「そういえばフィオナって歌姫って呼ばれてたんだったな」
「私も忘れてたわ」
「私も」
他の学園からは大人気だが、キルシュブリューテ学園からは歌姫の存在を忘れ去られていた。
「みんなヒドイ!」
「もちろんフィオナの歌は素晴らしかったよ」
「ホントホント!」
「ただキャラが薄くなったというか…」
フィオナは落ち込むが他の学園の男女が集まりサインを頼まれた瞬間に機嫌が直った。
そして祝賀パーティーも終わった。
ジャンヌだけ来ていない事に気づいたツクヨミはさすがに悪いと思い、病室に見舞いにいった。
そこで見たのは、また病室を抜け出さない様にベッドにロープでぐるぐる巻にされ、喋れない様に口を塞がれ暴れているジャンヌだった。
ツクヨミはやり過ぎた事を謝ろうと思ったが、思わず出た言葉が(じゃあまたな)だった。
そして3日目の最終日が終わった。
翌日、朝食を済ませた学生達は戦いあった者が皆、別れの挨拶をして、そして各学園生は全員馬車に乗った。
「シャルちゃん、なぜこの馬車に乗っているの?」
「サクヤさん、それは今日から私もキルシュブリューテ学園の生徒だからです」
「「「えぇぇぇぇぇぇ!!!」」」
「シャルちゃん、質問して良いですか?」
「何ですか?」
「なぜ昔みたいにツっくん、サクちゃんって呼ばないの?」
「そ、それは………淑女の嗜みです」
「私も兄さんも前の様に呼んで貰った方が嬉しいですよ」
「それは本当ですか」
「本当です」
「わかりました。それではよろしくね、ツっくん」
大会中一切出さなかった笑顔がようやく出た。
そしてジャンヌはベッドに縛られた状態で、シャルロットはキルシュブリューテ学園と一緒に帰った。




