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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
94/150

第94話 交流戦、決着

午後になり、遂に決勝戦が始まった。


キルシュA対ブルーメBというよりも、ツクヨミ対シャルロットの試合になった。


「それでは決勝戦開始!」


「いきます!(龍氣神速)そして(真・紅蓮飛翔槍牙)」


一気に宙に飛び、一気にツクヨミに向かっていった。


砂埃が舞う。


するとシャルロットはツクヨミに寄り添いながら気絶していた。


「しょ、勝者キルシュA」


会場は何が起きたか分からずに試合は終わっていた。


ほとんどの人が激しい試合になると予想していたが、呆気ない程に終わってしまった。


「サクヤさん何が起きたのですか?」


試合を見に来ていたヘンリーがサクヤに問う。


「シャルロットは私との傷が癒えてませんでした。それに比べ兄さんはほぼ無傷です。だから勝つ為には全ての力を一瞬で使い、一瞬で終らす方法を選んだみたいです。しかし兄さんに一度見せた技は通用しなかった!カウンターに普通の発勁を鳩尾に決めた。だから吹き飛ばされもせずに兄さんに寄り添う様に気絶した。という感じでしょうか」


「よ、よく見えましたね?」


「ヘンリーは同じ槍使いとしてシャルロットが気になりますか?」


「はい、あの人の技を少しでも盗みたかったのですが…」


「それなら兄さんに観せてもらうといいですよ。それでは控え室に戻りましょう」


   ◆   ◆   ◆


病室ではツクヨミ、サクヤ、ヘンリー以外のキルシュブリューテ学園の選手がベッドの中だった。


「みんな、傷の具合いはどうだ?」


校長のルイが見舞いに来た。


「ステラ、エヴァ、おめでとう。ツクヨミが勝ち、キルシュAチームが優勝だ。1時間後に表彰されるが2人とも動けるか?」


「私は大丈夫です。エヴァは?」


「私も大丈夫です」


「そうか、もう少ししたら準備しておけ」


「「はい」」


メリナとエミリアはまだ動けずにいるがフィオナはベッドから立ち上がり、すぐにツクヨミの所に向かった。


「ツクヨミ〜!おめでとう」


「フィオナ、傷はもういいのか?」


「ええ」


「メリナとエミリアは?」


「まだ動けないみたいよ」


すると絶対安静のはずのペストヴルツブリューテ学園のジャンヌが全身包帯だらけで普通の人なら動けるはずがないのに、バルディッシュを松葉杖にしてツクヨミに近づく。


「ツゥ〜クゥ〜ヨォ〜ミィ〜」


フィオナが身構える。


「ダイスキ!」


「!!!」


全身ズタボロの状態でツクヨミに抱きつく。


「サイコーだ!サイコーだよ!!ツクヨミ〜、唯一私を感じさせる男!!!」


「ちょ、ちょっとアンタ何やってんのよぉ!」


「何だテメェは!クソ女がツクヨミに寄るんじゃねえ!」


「はああああああああああっ!他の学園の奴が何ここに来てんのよお」


「うっせぇ、このどブスがあ!ツクヨミィ〜〜〜〜〜もっと私を強く抱きしめてぇぇぇ」


「はああああああああああっ!」


するとサクヤとヘンリーがやってきた。


「サクヤ、フィオナを止めてくれ!ヘンリー、助けてくれ!」


二人は状況を察した。


ヘンリーは急いで医者を呼びにいった。


「ツクヨミィ〜〜〜〜〜〜〜〜。離しやがれ!この腐れチン○がぁ〜!クソビッチ覚えてやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


ようやく控え室も静かになったら表彰式の時間になっていた。


   ◆   ◆   ◆


「それでは表彰式を始めます。第一回交流戦優勝チーム「キルシュAチーム」前に」


そしてステラが代表で優勝旗を貰う。


「続いて最優秀選手を発表します。キルシュブリューテ学園ツクヨミ選手、サクヤ選手、ブルーメ学園シャルロット選手は前に」


3人の選手が最優秀選手賞を貰い、無事に大会は終わった。


そして夜は祝賀パーティーが行われた。

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