第93話 サクヤとシャルロット
サクヤはゆっくりとシャルロットの前に立つ。
「サクヤさんとはそろそろ決着を着けたいと思っていた所です」
「なぜですか?」
「覚えていませんか?あの約束を」
「約束?」
「子供の頃、どっちがツクヨミ様のお嫁さんになるか…です」
「嗚呼ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
サクヤは顔を真っ赤にしながら大声を上げる。
「サクヤさんとは20戦10勝10敗ですのでここで勝負を決めます!」
サクヤはまだ顔を真っ赤にしながら何も言わず剣を構える。
「「龍氣神速」」
二人はいきなりぶつかりあった。
「(百花繚乱)」
龍氣を使ったサクヤの連撃は64連撃、シャルロットは防御で手一杯になっている。
「クッ!流石サクヤさんですね」
シャルロットは一旦サクヤから距離を取ろうとするが、サクヤはそれを許さない。
シャルロットと一切離れずに手を止めない。
「まだです!(四神剣舞 白虎氷雪)」
何とか防御しているが、シャルロットの体が徐々に凍っていく。
そして動きの鈍った所にサクヤの攻撃が当たり吹き飛ぶ。
「シャルちゃん、あなたの負けです」
すると、
「フフッ、あまいです。確かにこのままサクヤさんが攻撃していれば渡しが負けました。しかし何故今攻撃しないのですか?あなたは昔から優し過ぎです。それでは今の私には勝てません」
何とか立ち上がったシャルロットは龍氣を練った。
「ではこれで終わりです!(紫電一閃)」
シャルロットは上に高く飛んだ。
「(真・紅蓮飛翔槍牙)」
「(四神剣舞 青龍陣風)」
そしてサクヤとシャルロットが重なりあった。
そして二人は左右に吹き飛ばされ、シャルロットは僅かに意識があるがサクヤは意識を失っていた。
「勝者ブルーメB」
見ていたツクヨミはサクヤの所に行き、抱えながら医務室へと運んだ。
◆ ◆ ◆
「お姉様!大丈夫ですか?」
「ビアンカ、悪いけど少し肩を貸してもらえるかしら」
「私、お姉様がこんなにボロボロな姿を初めて見ました。サクヤ姉様は凄いです」
「あれでもサクヤさんは手加減してましたよ」
「ええっ!そうなんですか?」
「私が少し傷を負っていたので躊躇ったのでしょう。サクヤさんは昔から優し過ぎる所がありますから」
「そんな〜、私とヴィクトーではお姉様方にいつまで経っても追いつけないですよ」
「たぶん私が無傷でサクヤさんが本気を出して戦ったら互角、でもサクヤが瞳を使えば今の私では勝てませんわね」
そして控え室に戻ると興奮したヴィクトーが素振りをしていた。
「ヴィクトー!危ないから止めなさい」
「いいじゃん、別に…姉ちゃんと兄ちゃんの試合見たらジッと出来る訳ないじゃん!」
「とりあえずお姉様を休ませますから大人しくしててね」
「わかったよ〜」
◆ ◆ ◆
「ラウラさん、今の二人も確実に私達よりも強いですね」
「強さだけならねぇ〜。でも勝てなくは無いかな〜?やり方次第では」
「………そうですね。(でも組織としてはほっとけない存在ではありますが)この後はどうしますか?」
「ガブリエルとラファエルの所にでも行く?それともプルート様とヘカテー様の所にでも行く?」
「どうしたんですか?急に」
「ツクヨミちゃんの試合見たらさぁ、他はどうでもよくなってきちゃったよ〜」
「それはそれで困ります」
「それともどっか攻め落としちゃおっか!暇だし…ヴィンデンブリューテ王国なら楽勝じゃない」
「そんな事したら計画に支障が出ますよ!」
「だって〜、みんな集まるのって後2ヶ月もあるよ〜」
「とりあえず仲間探ししましょう」
「だったらさ〜、メリッサでいいんじゃね?めんどくせぇし」
「学園の校長をしている彼女が今の地位を捨てて仲間になるとは思いませんが」
「ヴィンデンブリューテ王国行っちゃうか!」
「だからダメですよ!」
「イリスちゃん勘違いだよ〜、偵察だよ。て・い・さ・つ・だよ。とりあえず仲間探しするよ」
「ラウラさん!あなたもやっとやる気になったんですね」
「とりあえず行こっか」
「メリッサさんに伝えに行きましょう」
「いいよ、別に〜」
「メリッサさんもいきなり居なくなったら困りますよ」
「そお?いいんじゃね?」
「もう!私が伝えに行くので待っていて下さいね」
そしてラウラとイリスはブルーメを離れた。




