第91話 交流戦3日目午前
大会3日目、準決勝第一試合が始まった。
キルシュAからはツクヨミと傷を負ったステラの2人だけで、エヴァは参戦出来なかった。
「おいおい、たった2人で私に勝つつもりかよ。オイッ!」
「ツッキー、あの女は私に任せてあの二人をお願い!」
「………分かりました。無理はしないで下さいね」
「僕たち相手に君1人で勝つつもりかな?」
「……………ユーゴは人数に入らない………………」
ユーゴは膝を付きショックを受ける。
「準決勝第一試合開始!」
ステラを心配したツクヨミはすぐに勝負かけた。
「(八龍炎斬)」
「…………そんなの当たらない…………」
ソフィーは大剣で防御する。
「ギャァァァァァーーー」
ユーゴ戦闘不能
「…………………ユーゴ、ザコ………………」
すぐにツクヨミは瞬歩で間合いを詰めた。
「(龍氣発勁)」
大剣ごとソフィーを突き飛ばした。
「……(アースブレイク)……」
斬撃を躱しながら全ての弾かれた石礫を弾き返した。
「…もう一撃…」
砂埃が舞う。
しかしツクヨミの姿はない。
「…いない…」
「終わりだ」
背後から声が聞こえる。
「…いない…」
振り向いてもいない。
そして上を見上げると
「(流星斬)」
「……眩しい……」
まさに流星の様に斬撃が降り注いだ。
「……………………私の負け……………………」
そのままソフィーは倒れた。
◆ ◆ ◆
「もう死にそうじゃねぇか、ババァ!」
「あなたを倒すには十分なハンデよ」
「うぜぇうぜぇ!早く死ねよ(ジャッジメントスラッシャー)」
普段なら躱す事も出来ただろうがステラには躱す事も出来ずに防御する。
「何だ何だああああああああ!ただの的じゃぁねぇかあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!つまんねぇつまんねぇなぁぁぁぁぁぁ!!!」
ステラの意識が無くなりかけた時ツクヨミが助けにきた。
「ステラ!」
「ごめんね、あまり時間稼ぎ出来なかった」
「もう喋らなくていいですから」
傷だらけのステラは闘技場の端で休ませた。
「許さん!」
「なにが〜何がですか〜〜〜?うぜぇことおおお言ってんじゃねぇ」
「すぐに終わらせてやる」
「おもしれぇーおもしれぇじゃねぇかぁぁぁぁぁ!さっさとかかってこいやーーーーー!!!(ジャッジメントスラッシャー)」
ツクヨミはジャンヌのバルディッシュを弾き飛ばした。
「(暗黒)」
ツクヨミとジャンヌが暗闇に覆われる。
観客には姿も声も何も届かない。
「なんだなんだ〜、コソコソ隠れねぇで出て来いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「闇に還れ(冥王瞬影殺)」
ジャンヌの体がいろいろな方向に弾ける。
「ぐゎ!ギャー!ぐふっ!ゴホッ!」
そして
「クソ!クソ!クソ!クソ!クソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そして暗闇が晴れていく。
そこには恐ろしい姿でジャンヌが倒れていた。
恐らくは全身打撲、複数の骨折、片腕と片足は変な方向に曲がっていた。
審判は勝利宣言もせず、急いで医療班を呼んだ。
ツクヨミはステラを抱えながら闘技場を後にした。
闘技場はしばらく静まりかえった。
◆ ◆ ◆
イリスは思った。
あればヤバい!ヤバすぎる!幹部の魔族3人がかりでも勝てない!正面からは戦えない!
しかし弱点もある!若いから仲間を見捨てる事が出来ない!全てを救おうとする!
後はなるべく敵にしないのが一番!
ラウラは思った。
最高よ!ツクヨミちゃんサイコー!
本当に抱き締めたい!ホントに!
斬りあいたい!この無くなった腕が疼いてくる!
たまらないわ〜!ホントたまんない!
◆ ◆ ◆
アレスは思った。
やり過ぎだろ!やり過ぎ!
俺の立場がねぇ!立場が!
来年開催出来ねぇよ!来年!
あぁどうしよう!どうしよう
ヘスティアは思った。
もうやり過ぎよ!やり過ぎ!
いくら私でもあれは無理!あれは!
本当にどうしましょう!どうしましょう!
私の威厳が無くなる!威厳が!
そして2時間が過ぎ、残りの準決勝が始まる。




