第89話 交流戦2日目午前
翌日大会2日目、初戦はツクヨミ達キルシュAチームとブルーメAチームの試合、既に両チームが闘技場の真ん中で向かい合っている。
「ヴィクトー、ビアンカ、何かシャルが怒っているみたいなんだか…何か知ってるか?」
「実はお姉様、ツクヨミ兄様に会うのを楽しみにしてたんですよ。それなのに」
「それなのに?」
「そこ!いつまでも話さない!試合始めますよ」
「「すいません」」
「それでは試合開始!」
そしてステラとエヴァでクロエを、ツクヨミはヴィクトーとビアンカを相手する事になった。
「ツッキー、すぐ終わらせて援護に行くからね〜」
するとクロエはステラに魔法を放った」
「そう簡単には私を倒せないわよ」
「お姉様、私が行きます。(ウォーターブレイド)」
エヴァの剣が水を纒い、霧を発生させてクロエの視界を塞ぐ。
するとクロエも対抗する。
「甘いわね。(ブラストブレイド)」
クロエの周りの霧が無くなっていくのを見たエヴァはクロエに斬りかかった。
するとクロエのブラストソードがエヴァのウォーターソードを弾き飛ばし、エヴァにニ撃目を与える。
エヴァは闘技場の壁まで飛ばされて気を失った。
「次はあなたの番よ」
クロエはステラに向かって構えた。
「それはどうかしら?あなたの動きは見切ったわ」
「あれだけで見切ったって?何が解るの?」
「前の試合も見たわよ。とりあえずこんな感じ(ブラストブレイド)」
「!!あなたも同じ技を?」
「まぁ風属性だけど、初めて使ったわ!こういうの得意なのよ」
「所詮は真似ただけ!威力はどうかしらね」
ステラはあえて剣をぶつけると、お互いに弾け飛んだ。
「どうやら互角みたいよ」
クロエは一旦距離を取り、魔法攻撃に移る。
「これはどうかしら(エアショット)」
クロエは魔法を連続で放つ。
「(エアカッター)」
ステラは躱しながら近づくと、エアショットに混じって空気の刃が飛んで来る。
「おっと!あぶない、あぶない(瞬歩)」
「(ウィンドウォール)」
体制を立て直そうとしたら背後にはステラがいた。
「あなたの攻撃も行動も全てが単調なのよ」
一撃を浴びせるとクロエは吹き飛び、何とか立ち上がった。
そして構えた瞬間
「終わりよ!自分の技で沈みなさい」
瞬歩で一気にクロエの懐に入り、ブラストブレイドで突き飛ばした。
そしてクロエはそのまま倒れた。
◆ ◆ ◆
「どれくらい強くなったか見てやるよ!」
ツクヨミはヴィクトーとビアンカに言い放つと二人は挟み打ちでツクヨミを剣舞で襲いかかる。
「さすがに二人は厳しいな」
二人の剣を同時に捌く。
「こっちも行くぞ!」
「どうぞ、ツクヨミ兄様」
「兄ちゃん、俺達二人相手にどうするつもりだい」
「そうだな。(暗影)」
双子はツクヨミを討ち取ったと思った瞬間、影だけ残して二人の剣を弾き飛ばした。
「さぁどうする?」
するとステラがやってきて2対2になった。
「ツッキー!お・待・た・せ」
「助かります。さぁヴィクトー、ビアンカ、もう勝ち目は無いぞ」
「行くぞビアンカ」
「はい!(龍氣)」
二人はまだ2本の剣の内、1本づつ失っただけで残りの1本に氣を纏わせた。
そして二人はステラに襲いかかった。
「危ない!」
ツクヨミは援護に行くが竜氣を使っている二人の方が僅かに早い。
ステラは二人の剣を何とか捌く。
がしかし
「くっ!」
「姉ちゃん、喰らいな!(龍氣発勁)」
「キャー」
吹っ飛んだ先にはビアンカが
「終わりです。(龍氣発勁)」
ニ撃目の発勁は背中に直で喰らった。
何とかツクヨミが抱き止めるが既に動ける状況では無かった。
「ゴメンね、ツッキー。お願い、勝って!」
ツクヨミはステラを優しく横にすると、二人と向い合う。
「二人とも、少し本気を出すぞ」
「「ゴクリ」」
ヴィクトーとビアンカは両手でしっかり剣を握った。
「(龍氣飛翔斬)」
二人は剣で弾き飛ばそうとしたが、ツクヨミの竜氣の方が上であった。
二人の剣を弾き飛ばすと瞬時に二人はツクヨミの間合いに入った。
「「合体技(龍氣双翼掌)」
ヴィクトーは右手、ビアンカは左手に龍氣を集め、二人の掌が重なる瞬間に爆発的な龍氣がツクヨミを襲った。
しかし
「確かにいい技だ。が、まだ足りないな」
ツクヨミは龍氣を纒い、最小の動きで受け流す。
同時に
「(幻影八斬)」
ヴィクトーとビアンカ、それぞれに4連撃を当てた。
二人は何とか立ち上がろうとするが膝に力が入らず立ち上がれない。
「勝者キルシュA」
ツクヨミは二人に近づくと
「強くなったな、二人とも」
二人は悔しくて泣き出した。
そして次の試合では予想通りペストヴルツAが勝ち上がり、2日目の午前の試合が終わった。




