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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
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第87話 ジャンヌとソフィー

控え室に戻るとリュカ、メリナ、フィオナは緊張していた。


ステラとエヴァはリュカに、ツクヨミはメリナとフィオナに声を掛けにいった。


「二人とも緊張しているな。作戦でもあるのか?」


「今のはないわ。まずは相手の強さや戦い方を把握しないとね」


「そうなんです。一応リュカさんがジャンヌという人を抑えて、私とフィオナで残りの二人と戦って様子を見る感じですね」


「応援してるから頑張れよ!」


「もちろんよ!ね、メリナ」


「はい」


しばらくすると歓声が上がった。


どうやらブルーメDが勝った様だ。


「出番だな!俺は応援席に行くから頑張れよ」


「任せて!」


そして午前の最後の試合になった。


闘技場の真ん中では睨み合いが始まっている。


「弱そうなザコばかりじゃねぇ〜か!」


「ジャンヌ、言葉遣いが悪いですよ。女性なんですから」


「いちいちうるせぇな〜。ユーゴ、テメェもやっちまうぞ!クソが」


「ソフィーも何とか言って下さいよ」


「……………………ガンバ!……………………」


「何なの!このチームは!リュカ先輩ボコボコにしてやって下さい!!」


「フィオナも言葉遣いが昔に戻ってますよ」


そして試合が開始された。


「試合開始!」


ジャンヌは槍の様な形状で刃が斧になっている武器をブンブンと振り回す。


「クソ共が、斬り刻んでやるよ!行くぜバルディッシュ」


そしてリュカが突っ込む。


「いい度胸だな〜、オイ!」


そしてユーゴとソフィーはメリナとフィオナの前に立つ。


まるで個人戦のような形になった。


メリナの前にはユーゴ、フィオナの前にはソフィーが立つ。


「あなたがユーゴさんですか?噂ではそこそこ強いみたいですね」


「多少は…ですね」


「それではあなたの持っている槍を全て捌いて見せますわ」


そしてメリナとユーゴの戦いが始まった。


ユーゴが槍で突いてくるがメリナには当たらない。


しかし槍のスピードがどんどん早くなり、穂先が無数に見えてくる。


「凄いですね!しかしもっと凄腕の槍使いを私は知ってます!」


ユーゴの穂先が炎を纏い出した。


しかし一瞬突きのスピードが遅くなったのをメリナは見逃さなかった。


瞬歩で一気に懐に入ると炎を纏った突きを瞬身で躱す。


「終わりです。(桜花乱舞)」


メリナの連撃が綺麗に決まり勝負が着いた。


   ◆   ◆   ◆


フィオナはソフィーに軽く斬撃を放つ。


だがソフィーは普通の大剣よりも大きい大剣を地面に突き刺して身を隠した。


「貴女にその剣を扱えるのかしら?」


「……………………余裕……………………」


「少し本気を出すわ。(氷華斬)」


ソフィーは大人でも持ち上げるのがやっとの大剣を片手で振り回す。


「……………………余裕……………………」


「これはどうかしら」


フィオナは瞬歩で一気に間合いを詰めた。


「氷華一閃」


しかし全て弾かれる。


「……………………つまんない…………終わりにする…………」


ソフィーの大剣に沢山の石が集まり、倍近い大きさの岩の剣が出来た。


そして凄い勢いで振り下ろした。


「…………(アースブレイク)…………」


フィオナは上手く躱したが大剣に纏わりついた石が弾け飛んで来る。


「キャー!」


体中に弾け飛んだ石が当たり、立っているのがやっとの状態だった。


そしてソフィーはニ撃目を構えた瞬間


「(氷華疾風)」


フィオナは最後の力を振り絞り突進するがカウンターに大剣で吹き飛ばされ気絶する。


「……………………次……………………」


   ◆   ◆   ◆


メリナはフィオナを見る余裕は無かった。


目の前にはボロボロになったリュカがバルディッシュで吊るされていた。


「おいおいユーゴ、テメェはほんとにザコだな〜」


そのままメリナにリュカを投げつけた。


メリナは怒りながらジャンヌに突っ込んでいった。


「よくもリュカ先輩をやってくれましたわね!」


「クソ女が〜、イキってんじゃねぇ!」


振り下ろされたバルディッシュをメリナは躱し、一気に勝負をかけた。


「(桜花乱舞)」


ジャンヌは全て弾く。


「少しはおもしれーじゃねぇか!何だよ、もう終わりか?」


「まだです!(桜花乱舞 16連撃)」


ジャンヌの頬や腕に傷がつく。


「何だよ!楽しいじゃねぇか!」


数撃ジャンヌに掠る。


するとジャンヌのバルディッシュが金色に輝き出した。


「死んじまいな!(ジャッジメントスラッシャー)」


メリナは防御するが雷撃に穿かれ、そのまま倒れた。


「勝者ペストヴルツA」


「もっともっとアタシを感じされろよ!こんなんじゃ興奮すらしねぇよ」


「……………………もう帰る……………………」


そして午前の試合が終わった。

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