第86話 交流戦1日目午前
1回戦、第1試合!初戦は早くもツクヨミ達の試合が開始された。
どうやら他の学園の生徒はステラの戦いを見に来ているようだが、ツクヨミは2つの視線を感じた。
1つは今ブルーメに住んでいるクロエだが、もう1つはペストヴルツ学園の校長メリッサだった。
ツクヨミは嫌な感じはしなかったので試合に集中する事にした。
ヴィンデンBチームの選手の内、1人はエヴァに、2人はステラに向かった。
ツクヨミは少し戦いの様子を見ると、やはり代表選手に選ばれるだけあって強い!しかし魔法の能力は低いので魔法剣をあまり扱えていない。
ツクヨミは援護で弱めの魔法を相手選手3人に放った。
「エヴァ離れて!(ファイアーアロー)」
「ありがとう、ツッキー」
そしてエヴァは優勢な戦いを出来る様になり、何とか勝つ事が出来た。
「ステラ!(ファイアーアロー)、(ファイアーウォール)」
1人をファイアーウォールで足止めして、もう1人はステラへの攻撃の邪魔をした。
魔法が邪魔と思ったのか、足止めしていた相手選手がツクヨミに向かってきた。
「1年が〜〜〜邪魔なんだよ!」
ツクヨミは怒りながら向かって来る所を瞬歩でカウンターの一撃を鳩尾に入れる。
「くっくそーーー!」
そしてもう一撃で気絶させた。
「ステラ!」
「援護に向かったツクヨミを見た相手選手が焦った瞬間、ステラの一撃が綺麗に決まる。
「終わりよ」
「勝者、キルシュAチーム!」
歓声が上がると同時に見に来ていたライバルチームは去っていった。
「お疲れ様、エヴァちゃん、ツッキー」
「「お疲れ様です」」
「いい感じだったわよ。周りのチームにも実力を見せずに勝つ事が出来てね」
「えっ!」
エヴァは結構本気を出していた。
「ツッキーの魔法援護良かったわよ。次からはツッキーの魔法を注意してくるわね」
「そうですね。この後どうしますか?ブルーメの試合を見ていきます?」
「そうしましょうか。エヴァちゃんは大丈夫?」
「大丈夫です。お姉様」
そしてブルーメAチームの試合を見る事にした。
するとツクヨミは気づいた。
「ステラさん」
「ツッキー〜!ステラだからね」
「………ステラ、生徒の年齢って決まってないんですか?」
「そうねぇ〜その土地様々よね」
「ブルーメAチームは全員顔見知りなんですけど…」
一人はエルフのクロエであと二人は双子の男女だった。
「そうなの?」
「はい、エルフの人は最近知り合った人でクロエって言います。そして双子は俺の1つ下でミネルヴァさんと子供です」
「!!!」
「男の子がヴィクトーで、女の子がビアンカです」
「で、強いの?」
「エルフのクロエはステラより若干弱いが、ヴィクトーとビアンカは強い!最後に会ったのは3年前位だけど…強さは二人ともサクヤ位かな」
「ちょっと最強じゃない!」
「剣の実力はサクヤの方が上ですが、体術が凄いですね!ただこの試合で見せてくれるか?」
「そうね、とりあえず試合を見て作戦を練りましょう」
そして試合が始まった。
相手チームも弱い訳ではないが、ほとんどヴィクトーとビアンカの剣技で試合が終わり、クロエの実力は見る事が出来なかった。
試合の偵察に来ていた選手や他の学園の校長や見に来ていた先生達も驚きを隠せないでいる。
ツクヨミはヴィクトー達に声を掛けに行った。
「やぁヴィクトー、ビアンカ、久しぶり」
すると何故かクロエが走って抱きついてきた。
「ツクヨミ〜、久しぶり〜」
「クロエも学生になったんだ」
「色々とあってね」
「ツクヨミ兄ちゃん」
「ツクヨミ兄様」
「二人ともどうしてここに?」
「実はアレス叔父様から連絡がありまして、試合に出させて頂きました」
「そうなんだよ!アレス叔父さんが言うには留学生扱いでいいからおいでよって言われたんだよ」
「そうだったんだ。次の試合、楽しみにしているぞ!」
「うん」
「はい」
クロエ達はブルーメ学園の控え室に戻った。
「ツッキー、どう戦うの?」
「そうですね。1番良い方法は俺が双子を抑えている間にステラとエヴァでクロエに勝って、その後に援護に来てもらうのが理想です。細かくは部屋に戻ってからにしましょう」
そして自分たちの学園の控え室に戻った。




