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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
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第79話 特別クラスの成長

特別クラスでは試合が行われる事になった。


審判はツクヨミとサクヤでルールは魔法禁止の純粋に剣術のみでの試合になった。


「ツクヨミくんとサクヤさん、ちょっと待ってもらえるかしら」


生徒会長のステラがゾーイを連れて少し離れた。


「おいおい!早くやろうぜ!」


「まぁフェリックスくん、少し落ち着こうよ」


フェリックスが戦鎌をブンブン振り回しているとステラとゾーイが戻ってきた。


「お待たせ〜」


「どうしたんですか?」


ステラとゾーイは沢山の武器を抱えていた。


「実はねぇ〜、あなた達1年生のレベルが高すぎて今度から模擬刀を使う事になったのよ。これは国からの支給でみんなの武器に合わせたサイズの特注品よ!」


ステラとゾーイはみんなに配った。


「今まではほとんどの生徒が子供のお遊び程度の剣術だったから学園も気にしなかったけど、特にフェリックスくん!あなたはこのままだと生徒を殺しそうだからね!」


「ふん!」


みんなが自分専用の模擬刀を貰うと、早速試合をする事になった。


「それではメリナとエミリアは前に出てくれ」


メリナとエミリアが対峙してからツクヨミが試合の合図をする。


「それでは始め!」


しばらく二人の打ち合いが続く。


「メリナ、やるわね」


「エミリアが弱いんですよ」


メリナは剣舞を使うと意外と呆気なく勝負はついた。


「勝者メリナ」


メリナは嬉しそうにツクヨミの所に行き、剣舞の出来を聞く。


そしてエミリアは悔しそうにしてその場を離れた。


するとステラはある事に気づいた。


「あなた達!全然息がきれて無いけど疲れてないの?」


「そういえば…」


サクヤがみんなに説明する。


「最近走り込みをしていたので足腰が強化させただけで無く、体力もついているのでこの程度では皆さん疲れないと思いますよ。それにメリナとエミリアも動きにキレが出てきてますし、重心がしっかり取れる様になってますね」


「「「なる程」」」


「メリナの剣舞が安定しているのも毎日の走り込みの成果です」


そして次の試合になった。


フィオナとヘンリーが前に出る。


「始め!」


しばらくフィオナの連撃が続くがヘンリーは全てを見切り躱す。


今までのヘンリーなら見切る事が出来ていても体がついていけなかった。


「さすがに天才と呼ばれるだけあるわね」


「僕も少し前なら負けていたよ」


お互いの打ち合いが続いた。


魔法無しだとヘンリーに分があるが、フィオナは今までツクヨミに教わってきた成果もあり、五分となっていた。


「それまで」


ツクヨミとサクヤの判断で引き分けで試合を止めた。


続いてエヴァとゾーイの試合になった。


エヴァは2年生の代表戦優勝者でゾーイは生徒会副会長で3年生の代表戦準優勝者でもある。


エヴァは次期生徒会長候補の一人でステラを尊敬しているのもあって負けられない気持ちが強く意気込んでいる。


「それでは試合を初めて下さい」


「ゾーイ先輩、私はステラ先輩の前で負ける訳にはいきません」


「そうですか。ではこちらからいきます」


しばらく打ち合いが続いた後、ゾーイの勝利で試合が終わる。


「エヴァさん、あなたはステラのモノマネにすぎません。それでは私には勝てませんよ。私は日々、ステラに勝つ為に努力してますからね」


「私の負けです。次は負けません!」


「会長も色んな人にモテて大変ですね。」


「昔のあなたを見ているみたいだったわよ。ゾーイ」


「そうかもしれませんね」


そして最後の試合になった。


「や〜と俺の番かよ〜。待ちくたびれたぜ!」


「さてと後輩くんの実力でも見ますか」


そして試合が始まると予想外の事が起きる。


いつもイケイケのフェリックスが戦鎌を構えたまま動かない。


一方もステラは剣を真っ直ぐ構えたまま動かない。


1分が経過………2分が経過………3分が経過………そして5分が経過した。


ツクヨミとサクヤだけは理解していた。


ステラはフェリックスの攻撃に対して全てのカウンターで返す組み立てが出来ていた。


それに対してフェリックスは野生の感なのだろう、危険を感じて動かない、結果何も無く試合は引き分けに終わった。


珍しくフェリックスは大人しくしていた。


そして月曜日から金曜日の午前は魔法の訓練、午後は基礎体力の強化、土曜日の午前は武術の訓練をした後に試合をする事になった。

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