第74話 実技テスト2日目
テスト2日目、既に各学年の専属武器の教師が集まっていた。
1年生の評価する教師は、片手剣のヘルマン、両手剣のヴァレンティノ、槍のアナベル、戦斧のエンゾ、戦鎌のナトンの5人に生徒と戦う教師は大剣のガスパール、そして審判に弓のハンナ、この7人で判断する事になっている。
注目されているのはメリナと五大貴族、そしてツクヨミとサクヤである。
この8人の試験の時は2年生と3年生だけでなく、教師までも集まった。
そしてメリナは18点、フィオナは20点と高得点を出した後、遂にサクヤの番になった。
試験官のヘルマンはみんなにサクヤとツクヨミには勝てないと注告をした。
「ガスパールよ、あの二人には絶対に勝てん!だからここはみんな満点の評価をした方がいい。自分のプライドがズタボロになるぞ」
「バカヤロー、俺が12歳のガキに負けるはずないだろ!」
「そうよ、ヘルマンさん。いくら自分の教え子だからといって審査は平等にしないといけないわ」
「そうですよ」
「ならもう、俺は知らんぞ」
そしてサクヤの試験が始まると、一瞬でガスパールが負ける。
「だから言っただろ」
他の教師も目が点になっている。
「悪い油断した!もう一度やり直してくれ」
「ガスパールよ、お前の負けだ。諦めろ!」
そしてサクヤは25点を取り、この時点で全学年で最高点の1位が確定した。
続いてツクヨミの番がきた。
今度は油断どころか大人気なく全力でガスパールはツクヨミに攻撃した。
しかしツクヨミは簡単にあしらい、ガスパールは呆気なく負ける。
この時点でツクヨミもサクヤと同じ最高点の1位となった。
この後は注目されていたエミリアが17点、エミールが16点、ヘンリーが21点、フェリックスが22点を取った。
そして全てのテストが終わった。
1年生上位の結果は
1位 50点・・・ツクヨミ、サクヤ
3位 36点・・・ヘンリー
4位 35点・・・フィオナ
5位 32点・・・メリナ、フェリックス
7位 31点・・・エミリア
8位 29点・・・エミール
9位 10点・・・多数
となった。
2年生の上位の結果は
1位 30点・・・エヴァ
2位 28点・・・マルタン、マノン
4位 26点・・・多数
3年生の上位の結果は
1位 37点・・・ステラ
2位 32点・・・リュカ
3位 31点・・・ゾーイ
4位 29点・・・ロミー
5位 28点・・・多数
となった。
結果、特別クラスは30点以上で、1年生6名、2年生1名、3年生3名、合計10名になった。
◆ ◆ ◆
ルイとクレモンが王宮に着き、王の間に案内された。
「国王様、学園長がお見えになってます。お通ししても宜しいでしょうか?」
「通せ」
「はい」
ルイとクレモンが中に入り、ルイがレオン国王に報告する。
「国王様、此度ペストヴルツブリューテ学園だけでなく、ヴィンデンブリューテ学園、更には今まで自ら関与していなかったブルーメ学園までもが交流戦を申し込んできました」
「なに!本当か?」
「はい、早急に各学園と交渉の場を設け、どのようにするのかを話し合う予定です。国としてはどのような対処をするかによって、話し合いも変わってくるのですが…いいが致しましょうか?」
「う〜ん…おい!リアを呼んでこい!」
「はっ!」
レオン国王、ルイ、クレモンは第一王女のリアが来るのを待った。
「お呼びでしょうか」
リアがやってきた。
「リアよ!学園長と共に此度の案件を頼む」
「はい」
「学園長よ、リアと共に中立都市ブルーメを中心に話し合うといいだろう。さすれば他の国も余計な事は出来なくなる。ブルーメの交渉にはリアに入ってもらうのがスムーズにいくだろう。あとはリアに説明してくれ」
「はい。クレモン、お前は学園長代理として学園に戻り、各教師、生徒会と共に学園を頼む」
「はい」
クレモンは学園に戻り、ルイとリアは別室で打ち合わせを始めた。




