第73話 実技テスト1日目
魔法の実技テスト当日、1年生のほとんどの生徒が諦めていた。
そして1年生、2年生、3年生と3ブロックに分かれて試験が始まる。
もちろん、1年生のほとんどが0点か5点しか取れない。
すると、歓声が上がった。
1年生でマトまで届く生徒が現れた。
「次、メリナさん」
「はい!(エアショット)」
「「「おーーー」」」
3点、3点、2点、3点、2点、合計13点
1年生の最高点が出た。
「次、フィオナさん」
「はい!(ウォーターボール)」
3点、3点、3点、3点、3点、合計15点
最高点が更新していく。
そして
「次、サクヤさん」
「はい!(ブラスト)」
審査員の教師含めて、全員が驚愕する。
5点、5点、5点、5点、5点、合計25点
過去に魔法で満点を出した生徒は、この学園にいなかった。
「つ、次はえ〜と、ツクヨミくん」
「はい!(バーストフレア)」
ツクヨミは面白がってわざとサクヤの魔法より強力な魔法を唱えた。
さすがの爆音に全校生徒、教職員が振り向く。
5点、5点、5点、5点、5点、合計25点
この後、どんなにいい成績を出した人も子供のお遊戯程度にしか見えなかった。
クラスに戻り、帰る支度をするとみんなが寄ってきた。
「ねぇねぇツクヨミくん、サクヤさん、今度私に魔法教えてよ」
「わたしも〜」
「俺も〜」
「僕も」
「ねぇ、私たちにも教えて〜」
この日は1時間程、みんなに練習のコツを教えてから帰宅した。
◆ ◆ ◆
生徒会では早くも、ツクヨミとサクヤを注目していた。
「会長!あの1年は何なんですか?あそこまでの威力、宮廷魔法師でもムリですよ」
「そうね、エルフ並の魔法力ね」
ツクヨミとサクヤ以外で最高点を取ったのは生徒会長のステラが17点だった。
「1年の平均点が約3点、2年の平均点が約8点、3年の平均点が約11点です。この時点でこの1年生は特別クラスですか?」
「剣技も見ないとわからないけど…ツクヨミって子は1年の代表戦の優勝者だし、サクヤって子は第二王女のメリナ様を助けた実績もあるから…ほぼ特別クラスは決定ね」
「会長、明日が楽しみですね」
「そうね。あなたも頑張りなさいよ、ゾーイ」
「もちろんですよ」
副会長のゾーイも明日の武器の実技テストは自信があった。
ステラは他の生徒の成績を確認しながら明日の準備を進めた。
◆ ◆ ◆
「校長、ヴィンデンブリューテ学園とブルーメ学園から手紙が届いてます!」
ルイが2つの手紙を読んだ。
どうやらペストヴルツブリューテ学園との交流戦の噂を聞き、参加の申し出だった。
「これは一大イベントになりそうね」
「今までこんな事は無かったですよ!」
「そうね〜、近々各学園長と打ち合わせをしないといけないわね!クレモン、各学園に連絡してちょうだい」
「分かりました」
「今から私は王宮に向かいます。あなたも準備しなさい」
「は、はいぃぃぃ!!!」
他国との学園のやりとりは多少はあっても、全ての学園でというのは初めての出来事である。
これは国も関わるかもしれない重要な事で、急いで二人は支度をして王宮に向かった。




