第71話 新居
オルヒデー家ではフィオナが父親話していた。
「お父様、私も住んでよろしいですね!」
「しかしな〜、まだ早いとと言うか…」
「メリナ第二王女すら王宮を出て一緒に暮らすのですよ!」
「フィオナのそんなにツクヨミくんが好きなのか?」
「もちろんです。しかもメリナ様もエミリアさえも狙っています。良いのですか?」
フランシスはレオン国王からツクヨミとサクヤが3英雄と関わりがある事を聞いていて、フィオナの貰った刀についても納得し、繋がりがほしいと思っているのが本音であった。
「分かった!好きにしなさい。ただし自分が決めた事は突き通しなさい」
「ありがとう」
フィオナが喜んいるとフランシスが条件を出した。
「フィオナ、せめてメイドのエレーナを一緒に連れて行きなさい。エレーナ、こちらに来なさい」
「はい旦那様」
「スマンが今後はフィオナの面倒を頼む」
「承知致しました。フィオナ様、宜しくお願いします」
「ごめんね。エレーナまで巻き込んでしまって」
そしてフィオナとエレーナはオルヒデー家を出る準備をした。
◆ ◆ ◆
ラヴェンデル家でもエミリアは父親と言い争っていた。
オットー自身はほとんどツクヨミの事を知らないので猛反対をしている。
「と言う訳だから、家を出るわ」
「何が、と言う訳だからだ!お前は今何歳だ!」
「もうすぐ13歳よ」
「13歳で男と同棲!そんな馬鹿な事あるか〜〜〜〜〜!」
「もう!そんな怒鳴らないでよ!」
「男だけでなく、みんなで住むの!」
「男もいるのだろうが!大体な〜このラヴェンデル家を誰が継ぐんだ!将来、お前が婿養子と取って継いでいくんだ!」
「何で私が継がないといけないのよ!」
すると奥から母親が来た。
「もうやめなさい!」
「そうだぞエミリア、母さんも言っているだろ」
「貴方に言っているんです」
「えっ?」
「エミリアの、娘の将来を貴方が決めてどうするの!エミリアにはエミリアの未来があるのよ!まだ若いんだから、やりたいようにやらせて見なさい!」
「でもな〜ジョアンナ」
「黙りなさい。先程オルヒデー家と連絡を取りました。エミリア、フィオナさんも暮らす事になってます。そして1人メイドをつけたそうですよ」
オットーはしばらく何も言えなくなった。
「フィオナも一緒に暮らせる様になったんだ」
「だからエミリア、貴方もメイドのミラを連れて行きなさい。それと今度お母さんにもツクヨミくんとサクヤさんを紹介して下さいね」
「分かりました!」
「ミラ」
「はい、ジョアンナ様」
「後は任せましたよ」
「かしこまりました。エミリア様、宜しくお願いします」
「よろしくね、ミラ」
オットーは哀しい目で黙ってエミリアを見送った。
◆ ◆ ◆
翌日、ツクヨミとサクヤとメリナが3人で食事をした。
テレサはメリナに料理人を用意するのを忘れていると教える。
「今日はサクヤ様が朝食を作りましたが、今後はどうなさるおつもりですか?」
「そうですねぇ〜、サクヤのご飯が食べられるのは嬉しいのですが、やはり雇うしかありませんね」
「別に自分たちで作ればいいんじゃないか?テレサさんもまだ4人しかいないから一緒に食べればいいのに」
「私も兄さんの意見に賛成です」
「安心して下さい。ツクヨミ様、サクヤ様、今日から執事とメイド二人が来ますので、やはり今後を考えると料理人は必要と思います」
「宮廷料理人を呼びますか?メリナ様」
するとフィオナとエミリアが同時にやってきた。
「私も今日から住むわよ!そしてメイドのエレーナよ」
「エレーナです。宜しくお願いします」
「エレーナは昔宿屋の料理長をしていた経験があるから、しばらくは料理人を雇わなくても平気よ!」
「フィオナ、一人で話を進めないで!ツクヨミ、私もここに住むことになったから!あとメイドのミラね」
「ミラです。エミリアお嬢様共々宜しくお願いします」
「と言う訳だから、フィオナ!私達の部屋を決めるわよ!」
フィオナとエミリアは勝手に話を進めて、勝手に部屋の割り振りを始めた。
「ツクヨミ様、申し訳ございません。フィオナ様も悪気がある訳では無いのです」
「もう分かっているので平気ですよ。エレーナさんも大変ですね」
「私はフィオナ様を小さい時から面倒を見ていたので平気ですよ」
「本当に食事を任せて平気ですか?大変なら俺たちも手伝いますよ」
「大丈夫です。任せて下さい」
「ミラさんもよろしくお願いします」
「こちらこそ」
「テレサさん、二人の案内をお願いします」
「はい」
そしてフィオナとエミリアの部屋も決まり、お昼近くになると執事にポール、門番兼庭師にトマ、メイドのシャーロットとメアリーがやってきた。
「執事のポールです」
「庭師のトマです」
「メイドのシャーロットです」
「同じくメイドのメアリーです」
「「「宜しくお願いします」」」
家も大分賑やかになった。
昼食を済ませるとツクヨミは一つ案を出した。
「今日はみんなで親睦を深めるということで夜は外でバーベキューをするのはどうかな?」
「「「賛成!!」」」
「今日だけは皆さんも仕事を忘れて楽しみましょう!」
するとみんなは笑顔で返事をしてくれた。
夜になり、みんなは食事をしたり、話をしたり、歌ったりして楽しい一時を過ごす事が出来た。
そして一日が終わった。
あれからしばらく経ち、ついに明日から二学期を迎える。
みんなも学校に行く準備も出来ている。
気づくと一緒に暮らしているのが当たり前になっていた。
「サクヤ、久しぶりに一緒に身体でも動かさないか」
「はい、兄さん」
準備運動も終え、二人は体術の稽古をする。
やがてツクヨミとサクヤの周りにはみんなが集まってきた。
「みんなどうしたんだ?」
「ツクヨミさん、何をなさっているのですか?」
「これか?これは体術だな」
「体術?」
「みんなはやらないのか?」
「やった事がありません」
「そうだな〜、フィオナちょっと刀を持って俺に斬りかかってきてくれ」
「えっ!危ないわよ」
「大丈夫だから」
「分かったわ」
フィオナは本気でツクヨミに斬りかかると、体術だけでフィオナを倒す。
「どうだ?もし武器が無かったらどうするの?武器はあくまでも自分の腕の一部と思い使うんだ。だからメリナもやった方がいいよ。剣舞は体術が基本だからね」
「「「おーーー」」」
みんなが関心していたので朝の鍛錬を終わらせ朝食を取った。
「ツクヨミ〜、今日で夏休みも終わりだね」
「そうだな。急にどうした?フィオナ」
「わ、私とデートしましょ」
「デート?いいけど」
「ヤッター!さっ早く行きましょ」
家を出ようとするとメリナとエミリアが待ち伏せていた。
「甘いわよフィオナ」
「そうですよ。ツクヨミさん私ともデートして下さい。夏の思い出作りをしましょう」
「私ともね」
そしてサクヤも呼び、5人で買い物に行く事にした。
「まぁデートはまた今度な!今日みんなで夏休みを楽しもう」
いろいろな出来事があった夏だが最後は楽しい時間を過ごす事が出来たツクヨミ達であった。
そして二学期を迎えた。




