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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
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第70話 帰還

あの内乱から約1ヵ月、ようやくツクヨミもキルシュブリューテに戻ってきた。


家に着くと荷物がほとんど無くなっていた。


ツクヨミは疲れていることもあり、とりあえず少しベッドに休むことにした。


「兄さん」


「………おはよう、サクヤ」


「おはようございます」


周りを見るとメリナ、フィオナ、エミリアの3人もいた。


「みんな、久しぶり。4人で出かけていたのか?」


エミリアが冒険者活動していると伝えた。


「何言ってんの!仕事よ、し・ご・と!」


「仕事?」


「私たち今パーティー組んでいて、ギルドで依頼を受けているのよ」


「へぇ〜」


「しかもリーダーは私よ、ワ・タ・シ」


「いいんじゃないか。エミリアにはそういう才能あると思うよ」


エミリアは少し照れていた。


「フィオナも頑張ってるんだ」


「そこまでではないけど……ね。毎日依頼を4人でね」


「へぇー、毎日4人で行動してたのか」


「そうよ、私達はもうEランクよ!Eランク!すぐにAランクになるんだからね!」


「頑張ってるんだな〜」


すると横からメリナが話しかけてきた。


「ツクヨミさん!実はちょっと来てほしい所があるのですが、今から平気ですか?」


「それは構わないけど…用意するからちょっと待っててくれ」


ツクヨミの支度が終わるとメリナは笑顔で全員を高級住宅街に連れて行く。


みんなは周りを見ているが、サクヤだけは分かっているようだった。


するととても綺麗な新築の建物があり、周りの建物よりも少し目立っていた。


「凄い屋敷だな〜」


「そうね」


「私もこんな所に住みた〜い」


「………」


メリナは無言で門の入口まで進んだ。


すると目の前にはテレサが出迎えていた。


「あれ、テレサさんだ」


「テレサって誰?」


「メリナ専属のメイドさんだよ」


「「「ってことは〜」」」


「ざんね〜んです。私の家ではありません!」


「じゃあ、何よ」


「ツクヨミさん達の家です!」


「えっ、おいおい俺はそんなに家賃払えないぞ!」


「違います!これは国王からツクヨミさんとサクヤに与えた褒美です」


「はぁ?」


ツクヨミはサクヤを見ると


「サクヤ、お前知っていたな!」


「ごめんなさい兄さん、断りきれなくて…」


「とりあえず皆様案内しますので、中へどうぞ」


テレサが全員を案内した。


「1階から案内します。左の部屋は談話室になっています。左側正面は食堂です。食堂の奥には調理場になっています」


「何か一部屋一部屋広くないか?俺とサクヤしかいないのに」


「そんな事はありません。普通ですよ、普通」


メリナはとてもご機嫌に話す。


「でも、食堂のテーブル……10人以上座れると思うんだが……」


「ツクヨミさん、とりあえず他も見て下さい。テレサお願いね」


「はい、続いて右側正面を入ると2階に上がる階段とお手洗いがあり、更に右側奥へ進むと大浴場になっています」


「風呂でかっ!」


全員で入って確認すると今いる全員が座って入っても足が伸ばせる広さだった。


「それでは2階へどうぞ」


いろいろとツッコミたいがテレサを案内の邪魔にならない様に素直についていった。


「上がりまして左側一番奥の部屋はサクヤ様の部屋です」


中に入るととても広く豪華な家具が並んでいた。


「いいな〜サクヤ」


ぼそっとエミリアがつぶやく


「次は隣の部屋はツクヨミ様の部屋です」


サクヤの部屋に負けない位に立派な部屋が出来ていた。


「何かベッドおっきくない?」


「男性ですからね」


メリナが笑顔で応える。


「でも…3人は余裕で寝れるぞ」


「まぁまぁ、次を見に行きましょう」


そして部屋を出るとテレサは案内を続けた。


「そしてそのお隣はメリナ様の部屋です」


「「「はぁあああああ?」」」


「ちょっと、何でメリナの部屋があるのよ!」


「そうよ!意味がわかんない」


「それは………私も一緒に暮らすからです」


「「「はぁあああああ?」」」


「じゃあ私も住むわ!」


「フィオナずるい!私もよ。私も住むわ」


「お二人は何を言っているのですか?」


「見る限り部屋もたくさん空いてるじゃない」


「客室です!」


「こんなに?」


「そもそもお二人はご両親の許可なく住めるのですか?」


「それはあなたもでしょ!」


「私は許可が出ています」


みんなが一斉にテレサを見た。


「メリナ様の仰った通りです。私もこの屋敷の専属メイドになりました。


「はぁ?」


「ツクヨミ様、サクヤ様、これから宜しくお願いします」


「だから俺とサクヤにまで様付けだったのか!」


「はい、そしてまだ案内していませんが1階の右側の部屋は私の待機室と奥が部屋になってます。他には執事やメイドを雇った事も考え、待機室も広く、部屋は3部屋用意してあります」


フィオナがテレサに質問した。


「ねぇテレサさん、2階の部屋は何室余っているの?」


「はい、7部屋あります。まだどういう部屋荷するか決めかねていたので、この後にツクヨミ様とサクヤ様に相談する予定です」


「決まりね。一つは私が貰うから!」


「ちょっとフィオナ」


「じゃあ私も」


「エミリアまで」


「「サクヤ、私たちは同じパーティー仲間よ。いつも一緒にいないとね!」」


あまり仲のいいとは言えない二人がハモった。


やはり、なんだかんだで二人は息があっている様だ。


「「メリナ!待っていなさい」」


二人は急いで家に帰った。


「しかしな〜俺達に人を雇うお金は無いぞ」


「お金は平気ですよ。私も住むんですからね」


ツクヨミはメリナの性格が分かっているので諦めた。


「テレサさん、大変と思いますがよろしくお願いします」


早速今日から住むことになった。


「じゃあ荷物を全部取りに行くか!」


「ツクヨミさん、手配済みです」


「じゃあ部屋の解約しに…」


「手配済みです」


「はやっ!」


メリナはひたすら笑顔のままだった。


「兄さん、お茶にしませんか?」


「そうだな」


さすがに食堂は広すぎて寂しいので、談話室で3人は寛いだ。


「テレサさんも座ってお茶を飲みませんか」


「私はメイドです。サクヤ様は慣れていないかとお思いですが…立場がありますので」


「そうですか…そうだ!メリナ、テレサさん1人は可哀想です。早くテレサさんと仲の良いメリナのメイドはいませんか?」


「テレサ」


「はい」


「ではシャーロットとメアリーはどうでしょうか?」


「とても良いかと」


「あと執事にポール、門番兼庭師にトマでしょうか?」


「はい、至急お呼びします」


「メリナ、そんな簡単に決めていいの?」


「はい、5人とも私の専属だった者なので問題ありません」


ツクヨミは場の流れに任せる事にした。


「後はサクヤとメリナに任せるよ」


耐えきれなくなりツクヨミは一人で散歩に出る事にした。

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