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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
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第66話 思惑

学校を終えたメリッサが家に帰るとラウラは起きていた。


「先輩、ただいま〜。体調はどうです?」


「いい感じだわ」


「じゃあ先輩、どうしてそうなったか教えてくれます?」


「愛しの子と戯れた結果ね、こうなっちゃいました〜」


「もう、先輩は!で?」


「ほんとよ、だからね〜お願いがあるのよ」


「ちょ〜っと先輩をこんな風にした人に興味があるかな」


「たぶんキルシュブリューテの冒険者か学生ね」


「学生って、そんなに若いんですか?」


「だからとてもカワイイ子なのよ。それで調べて欲しいのよ。彼の素性をね」


「別にいいですけど〜、キルシュブリューテって内乱起きたって噂ですけど、先輩の仕業でしょ」


「せ・い・か・い・よ」


「何を企んでいるんですか?それは今度ね。とりあえずこの国の学校の学長やってるメリッサなら、キルシュブリューテの学長と繋がりはあるでしょ」


「分かりましたよ〜、もう先輩は言い出したら聞かないんだから〜。でも私もその子に興味があるかも…その先輩をここまで想わせるなってね」


「そゆことです。名前はツクヨミね〜ツ・ク・ヨ・ミ」


「分かりました。調べるので時間を下さいね。早くて1週間はかかりますから」


「ありがとう、だから好きよメリッサのこと。じゃあ私は野暮用で出かけるから後はヨロシク〜」


「もう先輩は自由すぎです」


そしてラウラは家を出て、ドラゴンのいる森へ戻った。


そしてラウラは森に戻るとドラゴンに乗りアジトに向かった。


   ◆   ◆   ◆


キルシュブリューテ王国では、ある程度復興も終えていた。


王都では学長のルイを盛大に称え、国民の前で褒美を与えた。


何と国王自ら王都に出向き、褒美を与える姿に国民全員が驚いている。


「キルシュブリューテ学園長ルイ殿

前に」


「はい!」


第一騎士団団長のフランシスが代表で内容を伝えた。


「この度は学園一同、一致団結し、第二王女メリナ様を守り、反乱軍を倒した功績を称え、ここに勲章を授与する」


そしてレオン国王が前に出て直々に勲章をルイの首にかけると


「ありがとう、これからもこの学園をよろして頼む」


「はっ!有難き幸せ」


そしてフランシスがもう一つの恩賞を国民の前で伝えた。


「ルイ殿、今後学園には国から援助金を毎年出す事にする。今後の教育を期待する」


「はっ」


「そして国民すべての者よ。今後この学園に通うすべての者にも援助金を出す事にした。今まで金銭面で学園に通う事の出来なかった者もいると思うが、今後は皆が通える様な体制を国が作る」


すると国民から歓声が湧く。


「「「オーーー!」」」


「続いてギルド長モーリッツ殿と冒険者代表フィン殿前に」


「はい!」


「此度はこの国の国民を助けるだけでなく、王国全体を救った功績を称え、ここに勲章を授与する」


またレオン国王が自ら二人に勲章を首にかける。


「この国そして国民皆を救ってくれてありがとう」


「有難き幸せ」


冒険者達が一斉に歓声を上げ、そして無事に式を終える事が出来た。


   ◆   ◆   ◆


メリナ達4人は第一王女一行と無事に王都に戻った。


「メリナ!あなたは私と来なさい!」


「え〜」


「え〜ではないでしょ」


「分かりました」


「サクヤ、フィオナ、エミリア、私が戻るまで冒険者の登録は待っててね」


「「「は〜い」」」


リアはメリナを連れて王宮に戻った。


「お父様、只今ブルーメから戻りました」


「おー、戻ったか。メリナもいるではないか。メリナ」


「はい!」


「まぁ勝手に出かけたのは後で叱るとして、ツクヨミとサクヤについて聞きたいのだが、お前の知っている事を全部教えてくれたら、お前の望みを聞こう」


メリナはチャンスと思い、上手く国王を誘導した。


「お父様、ツクヨミさんとサクヤさんは3英雄のお知り合いです」


「何!」


「しかも行方の分からなかったアルテミス様に育てられた上に、竜人族の女王ミネルヴァ様と妖精族の女王アフロディーテ様とも繋がりがある様です」


「メリナ、お父様に嘘はやめなさい」


「本当です」


レオン国王は少し考えた。


「確かにあの強さは納得する所もある」


「そうです。ツクヨミさん達はアルテミス様が亡くなられて、たまたまこの国に暮らす事になったのです!ですので今回の褒美に土地と屋敷を与えてはどうでしょうか?」


「なぜだ?メリナよ」


「はい、今は同じ学園に通ってますが卒業したらこの国を出て行くみたいなのです」


「それは本当か?」


「はい、ツクヨミさんに聞きました。ただサクヤは残る可能性もあるので今の内に土地と屋敷を与えれば、他の国に取られる心配は無いと思います」


「メリナよ、良くやった。彼らには土地と屋敷を与えよう。それに勲章と褒章金だな」


「お父様、お言葉を返す様ですが褒美を渡すと言うと断る可能性が高いので、勝手に土地と屋敷を渡しましょう」


「分かった、お前に任せる」


メリナは見えないガッツポーズをした。


「すまんリア、待たせたな」


「お父様、またメリナいいように動かされて…知りませんよ」


「所で会談はどうだった。急ぎ戻りましたの話はあまり進みませんでしたが、いつもと変わりませんでした」


「そうだろうな。あそこはしっかりした理念を持っているからな」


「それより国の方は?」


「報告にあった通りだ。詳しくはフランシスに聞いてくれ」


「分かりました」


リアとメリナは退室した。


「メリナ、ちょっと部屋まで来なさい」


「リア姉さま、私はやる事があるので失礼します」


メリナは走って逃げた。


「メリナはもう」


リアは諦めてフランシスに話を聞きに行った。

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