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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
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第63話 ヘスティアの魔法

「お〜い、ラウラ〜」


アドンはラウラを見つけて今までの事を説明した。


「と言うわけよ。所でそのドラゴンどうしたの?」


「ちょっと探したら3匹見つけたから配下にしちゃったよ」


「いいな〜、オレっちに1匹貸してよ。これから3英雄に会いに行くんだよね〜」


「いいよ、私はアレクサンドの所に行けばいいのかな?」


「そういう事だね。じゃあドラゴンちゃん、オレっちを乗せていってくれるかな」


アドンはドラゴンに乗り、エルフの里に向い、ラウラは湖に向かった。


   ◆   ◆   ◆


ヘスティアはケガをしているエルフ達を魔法で一人ずつ治していく。


「完全には治らないけど、大分良くなったでしょ」


「ありがとうございます。ヘスティア様他の者もお願いします」


「分かってるよ。だから安静にしててね」


重症者の応急処置を全て終えた後にヘスティアは浄化魔法を使える者が何人いるか聞いた。


「この中にエリアキュアを使える人はいる?」


「私は使えます」


「僕達も使えます」


「私も」


救護している40人のほとんどが使えるので15人ほど連れて行こうとした時には1体のドラゴンが里を襲ってきた。


「大変だ〜!ドラゴンが来たぞ〜!」


「おい!動ける者がいたら護衛にまわれ」


「みんなでドラゴンを追い払うぞ」


するとヘスティアが


「みんなはケガをしているんだから休みなさい。ここは私一人に任せてね」


「いくらヘスティア様でも…」


「だいじょうぶ、だいじょうぶ、ね」


そして里の外に出てヘスティアはドラゴンと対峙した。


「(レビテーション)」


「おっ!3英雄早くも登場かな?」


ヘスティアはドラゴンの上に人が乗っているのを確認する。


「そこの君!こんな所で何をやっているのかな?」


「オレっちは3英雄に会いに来たんだよね。ヘスティアさんであってる?」


「そうだよ。で君は?」


「オレっちはアドンだよ。さすがは英雄、まさか浮遊魔法をこの目に見るなんてね。この世界に使える人はあなただけでしょ」


「そんな事ないよ〜。使える子は知ってるよ〜、私が教えたんだけどね。で用件は?」


「オレっちがどれくらい強いか試したくてね。(フレア)」


「(ウィンドウォール)女性にいきなり魔法なんて、嫌われちゃうぞ」


ヘスティアは風の壁を作って防御する。


「あいさつだよ、あ・い・さ・つ。しかし魔法を2つ同時に発動ってね、スゴイね」


「あら、ありがとう。この魔獣騒ぎも君の仕業かな?」


「どうしようかな〜?教えてもいいけど(ストーンショット)」


「(ブラスト)そんなんじゃお姉さんには効かないよ」


二人の魔法対決は徐々にエスカレートしていった。


「オレっちじゃまだ勝てないみたいだね〜。ドラゴンにも手伝ってもらおうかな」


ドラゴンはヘスティアに向かってブレスを放つ。


「ちょっと、ちょっと〜。里と森に被害出ちゃうじゃない!」


「オレっちも超必殺技出しちゃうぞ(メガフレア)」


「それはマズいって〜」


ヘスティアは被害が出ないように更に上空に上がった。


何とか魔法は避けたがドラゴンのブレスを直撃する。


「これはオレっち有利かな」


「もう許さない!(ディファレントディメンション)」


ヘスティア、アドン、そしてドラゴンが異次元空間の中に閉じ込められた。


「なんだ、なんだ〜。この魔法は!」


「ここは別世界だよ!アドンくん」


「こんな魔法聞いた事ない!」


アドンは少し焦ったが今自分が有利な立場という事が冷静さを取り戻す事が出来た。


「しかし、いいのかな?これで助けは呼べなくなったよ」


「そうね〜、でも君も私を倒さないと逃げられないよ」


「てことは、倒せばいいだけじゃん」


そしてドラゴンがブレスを吐くと同時にアドンも魔法を出した。


「(フレア)」


今度は全ての攻撃を避けるとヘスティアは魔法を唱えだした。


「おいおい、なんだその長い詠唱は?聞いた事がない。でもスキだらけだよね〜(メガフレア)」


そしてドラゴンもブレスを吐いた。


「残念、少し遅かったよね〜。(召喚魔法シヴァ」


すると真っ白な美しい女性が現れた。


空間全体が氷で白く染まり、そしてヘスティアの合図でシヴァは魔法を放った。


「お願いシヴァ。全てを凍てつくしなさい(ダイヤモンドダスト)」


一撃でアドンの魔法とドラゴンのブレスを吹き飛ばした。


「な、なんだよ〜…その……ま……ほ……う……」


そしてアドンとドラゴンを凍らせた。


そのまま空間は元に戻ると同時にシヴァも消え、アドンとドラゴンはそのまま地面に落下して砕け散った。


「ふぅ、ひさびさに少し疲れちゃったかな」


ヘスティアは少し腰を下ろした。


「ツクちゃんなら平気か。さすがに少し休まないとね」


そのままヘスティアは横になった。

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